精油のブレンドに必須!賦香率と限界量|アイテムごとの香りの希釈割合
賦香率と限界量
香水や化粧品など、香りが含まれるものを作る場合、賦香率と限界量を考慮することが大切になります。簡単に言うと、賦香率とは製品に含まれる香料の割合のこと、限界量は、製品全体に対して一つの精油が使える限度量のことです。どんなものを作るか、どんな精油を使うかによって、ブレンド量が変わってきますここでは商品ごとの賦香率と精油ごとの限界量について詳しく説明していきます。
賦香率
賦香率とは製品に含まれる香料の割合のことです。香水、化粧水、クリーム・・・といった香りがある製品ごとに適した賦香率があります。肌に使用するものは、適した希釈率も考慮されています。製品全体の量に対して何%香料を混ぜることが適切かが大体決まっています。手作りで精油を使ったものを作る時にとても参考になる数値です。この数値は精油の種類や禁忌、使う人の体質によって変わってくるので、目安としてお考えください。
製品別の賦香率リスト
製品 | 賦香率 |
化粧水 | 0.1-1% |
クリーム | 0.1-1% |
リップクリーム | 0.5-1% |
歯磨き粉 | 0.5-1.5% |
シャンプー&コンディショナー | 0.5-1% |
バスソルト | 0.1-3% |
バスオイル | 0.3% |
ヘアオイル | 1-3% |
ボディーソープ | 0.5-3% |
マッサージオイル(ボディー) | 1-3% |
マッサージオイル(フェイシャル) | 0.5-1% |
デオドラント | 1-3% |
ルームスプレー | 5-30% |
香水の種類と賦香率
香水の作り方のページでもお伝えしましたが、香水には賦香率を何%にするかによって(=香料の割合によって)いくつかの種類があります。
スプラッシュ | 1-2% |
スプレーコロン | 1-4% |
オーデコロン | 4-8% |
オードトワレ | 8-12% |
オーデパルファン | 12-15% |
パフューム | 15-25% |
香油 | 10-50% |
限界量
精油をブレンドするときは、賦香率と共に、各精油ごとの限界量を考慮する必要があります。基材(アルコールやオイル)を含めた全体量に対して、一つの精油を何%まで使ってよいか、という数値です。
例えば、ラベンダーの精油は限界量が16%です。30mlのパフューム(賦香率25%とする)を作る際に、ラベンダーは30mlの16%分(=4.8ml)まで配合できます。限界量が1%のマジョラムは、賦香率が25%だとしても、限界量を考慮して30mlの1%分(=0.3ml)までしか配合できません。
限界量:香水や芳香浴の場合
香水や芳香浴系のアイテムを作る場合の限度量をお伝えします。精油には中には刺激が強いものもあるので、どんなに好きな香りでもたっぷり使わない方がいい場合があります。同じ精油でも成分が異なる場合があることから、文献によってもその数値に差があるので、一つの参考として下記のリストをご覧ください。
限界量 | 精油 |
1%未満 | アニス、アンジェリカ、ウィンターセイボリー、カンファー、シナモン・カッシャ、シナモン・バーク、トルーバルサム、トンカビーンズ、ナツメグ、バジル、フェンネル、ベンゾイン |
1% | アンブレット、オレガノ、クミン、セージ、タイム・レッド、ヒソップ、ブラックペッパー、マジョラム・スイート |
2% | イモーテル、チュベローズ、ナルシス、ミモザ、メリッサ |
3% | アイリス、オークモス、カカオ、ジャスミン、メドウスイート、ライム(圧搾)、ローズマリー |
4% | カモミール・ワイルド、カモミール・ジャーマン、カモミール・ローマン、カユプテ、カルダモン、ガルバナム、キャロットシード、シトロネラ、ジンジャー、スパイクナード、スペアミント、ダグラスファー、タラゴン、ディル、ネロリ、ベルガモット、マートル、ヤロウ、ラブダナム、レモングラス、ローズ |
5% | クレメンタイン、クローブ・リーフ、サイプレス、マンダリン、ラバンジン |
6% | グランドファー、コリアンダー、タイム・ホワイト、ティーツリー、フレンチラベンダー |
8% | クラリセージ、シダーウッド・アトラス、シナモン・リーフ、ジュニパーベリー、スパイクラベンダー、タイム・リナロール、パルマローザ、プチグレン、フランキンセンス、ベチバー、ペパーミント、ミルラ、ユーカリ、リツィアクベバ、リナロエウッド、ローズウッド |
10% | イランイラン、オレンジ、グレープフルーツ、サンダルウッド、ゼラニウム、パイン・スコッチ、パイン・スイス、パイン・マウンテン、パチュリ、バニラ、ベイ、シルバーファーー、ユーカリ・レモン、レモン |
15% | ライム(水蒸気蒸留) |
16% | ラベンダー |
限界量:皮膚に使用する場合
皮膚に使用する場合の限界量はさらに注意が必要です。皮膚への使用自体を避けたほうがいい精油も沢山あります。皮膚感作や光毒性のある精油もある精油もあります。皮膚に使用する際は、賦香率や限界量と共に禁忌のページも参考にしてください。ここでは特に濃度に注意したい精油を挙げています。全ての精油を網羅しているわけではないので注意してください。
1%未満 | アニス、アンジェリカ、クローブ、シトロネラ、シナモン、ジンジャー、タイム・チモール、タイム・パラシメン、タイム・カルバクロール、ナツメグ、バジル・メチルチャビコール、ブラックペッパー、メリッサ、リツィアクベバ、レモングラス、レモンバーベナ |
2%未満 | カユプテ、ガランガル、ガルバナム、カルダモン、バーチ、ブラックスプルース、ペパーミント、ユーカリ、ローズマリー、ローレル |
次はこれを要チェック
香りの強さの他にも、より洗練された精油のブレンドには必要なポイントがあります。それらをまとめた詳細は下記になります。
精油の一覧やブレンドレシピ、アロマの手作りレシピは下記へ
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