精油の香りの強さとブレンドのこつ|アロマのブレンドファクター
香りの強さとブレンド
精油は種類によって、香りの強さが異なります。一滴だけでとても強い香りのものは、ブレンドの時はその香りしかしなくなってしまうので特に注意が必要です。精油をブレンドする際にとても大切な要素のひとつである香りの強さの説明をしていきます。
香りの強さの9段階
このサイトでは、純粋に香りの強さだけを比較して、A~Iまでの値を当てはめています。括弧の中の数字はブレンドするときの比率です。同じ植物からとれる精油でも作られた場所や季節、使う人によっても感じ方が違うので注意が必要です。ここでの数値が必ずしもすべてに当てはまるものではありませんが、参考にしてみてください。
A | とても強い(1) | スパイクナード、バニラ、ベチバー、ラブダナム |
B | 強い(2) | イモーテル、イランイラン、カモミール・ジャーマン、カモミール・ローマン、カルダモン、ガルバナム、サンダルウッド、シトロネラ、シナモン、ジンジャー、ジャスミン、パチュリ、メリッサ、ベンゾイン、レモングラス |
C | 強い(3) | クローブ、ペパーミント、ミルラ、ユーカリ、レモンバーベナ、ローズ |
D | やや強い(4) | アニス、アンジェリカ、ガランガル、スペアミント、ゼラニウム、ティーツリー、ナツメグ、ニアウリ、フェンネル、リツィアクベバ、ローズマリー |
E | 普通(5) | カユプテ、サイプレス、シダーウッド、ジュニパーベリー、タイム・コモン、タイム・マストキナ、チェストツリー、ネロリ、バジル、バーチ、ヒソップ、ブラックスプルース、マジョラム、ローズウッド |
F | 普通(6) | エレミ、コリアンダー、フランキンセンス、ブラックペッパー、ローレル |
G | やや弱い(7) | イニュラ、クラリセージ、パイン、パルマローザ、プチグレン、マートル、ラベンサラ、ラベンダー |
H | 弱い(11) | オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、ライム、レモン |
I | とても弱い(12) | タンジェリン、マンダリン、ブラッドオレンジ |
ブレンドへの応用方法
上記の数字を滴数の比率の目安にします。例えばA(とても強い)に値するベチバーと、H(弱い)に相当するオレンジを混ぜる時、括弧の数字を参考にして、ベチバー1滴に対して、オレンジは11滴のブレンド比率が目安です。この数値は、単純にバランスよく精油をブレンドしたい時に役立ちます。沢山の香りを混ぜる複雑なブレンドの場合は特に、感覚や経験に勝るものはないので、あくまでも目安の比率とお考えください。
ブレンド時のその他の注意点
その他精油のブレンドをする際に注意することが、香りの賦香率と限界量です。香水、化粧水、ボディーオイルといった、どの種類のものを作るかによって、賦香率(香りの割合)の目安があり、かつ、各精油によって全体に対する限界量があります。いくら弱い香りの精油でも、刺激の強いものは比率を低くする必要があります。また、芳香がメインの要素となる香水やキャンドルを作る場合は、よりいい香りが長持ちするように、精油の揮発速度(ノート)が考慮されます。それに加え、各精油には使う人によって禁忌事項もあるのでそれもチェックが必要です。
ロバート・ティスランド氏によるブレンドファクター
精油のブレンドの割合をチェックする方法でよく耳にする言葉に、ブレンドファクターというものがあります。香りの強さとその精油の成分を考慮して作られた、各精油につけられた数字です。アロマセラピーの先駆者である、ロバート・ティスランド氏によって定義されたものです。精油は1~12に分類され、1に当てはまる精油の香りが一番強く、順に弱くなります。上記のタイムレスエディションで使っている香りの強さと比較すると、異なる部分が多々あります。例えば、上記ではオレンジは弱い香りのグループ分類されていますが、下記では中間の香りの強さになっています。詳しくは不明ですが、タイムレスエディションの数値は純粋に香りの強さのみを数値化していることから、違いが出てくるのではないかと思います。地域や年代によって、同じ精油が違うように香る場合もあります。ロバート・ティスランド氏によるブレンドファクターは多くのアロマセラピストが基本としている数値であり、参考になるので、気になる方は比較しながらブレンドの割合を考えてもいいと思います。
ブレンドファクター | 精油 |
1 | パチュリ、ベチバー、ベンゾイン、ミルラ |
2 | イランイラン、カモミール・ジャーマン、カモミール・ローマン、クラリセージ、 シトロネラ、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジンジャー、ローズ |
3 | エレミ、スペアミント、プチグレン、マジョラム、ペパーミント、ユーカリ、レモングラス、レモンユーカリ、ローズマリー |
4 | サイプレス、ティーツリー、ゼラニウム、ネロリ、パイン、フェンネル、フランキンセンス、メリッサ、リツィアクベバ |
5 | シダーウッド、パルマローザ、ローズウッド |
6 | オレンジ、グレープフルーツ |
7 | ラベンダー |
8 | サンダルウッド |
9 | タンジェリン、レモン |
10 | ― |
11 | ― |
12 | ベルガモット |
ブレンドの計算方法
このフレンドファクターも同様、数値がそのまま精油の割合を示しています。パチュリとティーツリーをブレンドする場合、パチュリ1に対して、ティーツリーの割合が4であるとバランスがとれるということになります。50mlの基剤に、1%の精油を混ぜると考えると、精油の合計が0.5mlになり、滴数でいうと10滴(一滴0.05ml)になります。そうするとこの場合は、パチュリ2滴、ティーツリーが8滴がベストのブレンドとなります。
次はこれを要チェック
香りの強さの他にも、より洗練された精油のブレンドには必要なポイントがあります。それらをまとめた詳細は下記になります。
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