Aroma,  フローラルウォーター

フローラルウォーター(ハーブウォーター・芳香蒸留水)の基本を網羅!使い方や種類一覧も

フローラルウォーターとは?

フローラルウォーターは長い歴史がありますが、最近になって再度その有効性を見直されるようになってきました。手作り化粧水やクリームなどにも欠かせないものです。生活によりいい形で取り入れられるように、その特徴や利点、注意点をまとめています。

目次

  1. フローラルウォーター一覧
  2. フローラルウォーターとは?どの様に作られる?
  3. フローラルウォーターの歴史
  4. フローラルウォーターの別名
  5. フローラルウォーターと混同しやすいもの
  6. フローラルウォーターの効能・利点
  7. フローラルウォーターの注意点
  8. フローラルウォーターの使い方



フローラルウォーター一覧

まず、特に人気のフローラルウォータのリストを紹介します。各フローラルウォーターの特徴や効能の詳細を知りたい場合は下記をチェックしてください。詳細ページでは、基本的な植物の情報と、フローラルウォーターの心や体への作用、アーユルヴェーダのドーシャやチャクラへの影響、不調対策のレシピを紹介しています。

フローラルウォーターとは?どのように作られる?

次にフローラルウォーターとはそもそも何なのか、を説明していきます。フローラルウォーターは、ハーブウォーター・芳香蒸留水とも言われます。簡単にいうと、精油(エッセンシャルオイル)を水蒸気蒸留で抽出する際に作られる副産物になります。

ハーブなどの植物を水蒸気に当て、精油成分を気化させ、その後冷やします。すると脂溶性と水溶性の2層の液体が出来上がります。そのうちの脂溶性の部分は精油(エッセンシャルオイル)で、水溶性の部分をフローラルウォーター(ハーブウォーター、芳香蒸留水)と言います。フローラルウォーターは精油の副産物として捨てられてしまったり、軽く扱われることも多いのが現状です。しかしフローラルウォーターの部分にも多くの植物の成分が含まれていて、昔はとても貴重なものとして医療にも使われていました。いまはその有効性が再認識され始めています。

フローラルウォーターの歴史

フローラルウォーターは古代から使われていたと言われています。紀元前5000年には原始的な方法で蒸留が行われていたそうです。当時のフローラルウォーターは殆どローズウォーターと言われています。10世紀にアラビア人により本格的な蒸留技術が生まれ、11世紀に医師であるイブン・シーナーによって、蒸留法が飛躍的に進化しました。13世紀にはバラの栽培がはじまり、同じ時期に確立した水冷却法によって、ローズウォーターの生産が飛躍的に伸びました。その後ネロリウォーターやラベンダーウォーターなど、ローズ以外のものが登場し、18世紀にフローラルウォーターの絶頂期になります。その後、古くはエッセンシャルオイルより重宝されていたフローラルウォーターの人気は、徐々に衰退し、精油の方が好まれるようになりました。最近になり、また新たにフローラルウォーターの効能にスポットライトが当たり、良さが見直されてきています。

フローラルウォーターの別名

ここではフローラルウォーターという名称を主に使用していますが、フローラルウォーターに関する呼び名は沢山あります。

ハーブウォーター

蒸留される部分は花部分だけでなく、葉や枝、根など植物全体が含まれるため、この呼び方はフローラルウォーターより的確で、同じく一般的な名称です。

芳香蒸留水

ハーブの蒸留水なので、日本語ではこの名称が一般的です。

ハイドロゾル

フローラルウォーターは、ラテン語の「水」を意味するHydro(ハイドロ)という言葉に由来しています。そこからハイドロゾルと呼ばれることもあります。

アクアロム

Aqua(水)とaroma(香り)を組み合わせて、アクアロムとも呼ばれます。

イドロラテラピー

イドロラテラピーは、フローラルウォーターの別名ではないのですが、フローラルウォーターを使った自然療法のことです。フローラルウォーターは、精油と同様、様々な効能があります。イドロラテラピーは精神と身体の関係をより重視する、ホリスティックな要素が強い自然療法の一つです。



フローラルウォーターと混合しやすいもの

フローラルウォーターやハーブウォーターという名称で、下記のようなものが販売されている場合もあるので気を付けましょう。

精油(エッセンシャルオイル)

前述したように、水蒸気蒸留をする際にできる脂溶性の部分です。そのため、同じ植物から得られていても、精油には脂溶性の成分が多く含まれ、フローラルウォーターには水溶性の成分が多く含まれます。成分構成が似ているものもあれば、全く違うものもあるので、同じ植物だからと言って精油とフローラルウォーターが同じ作用とは限りません。

ハーブティー(浸出液、煎出液、チンキ、浸出油)

ハーブティーは、ハーブに熱湯を注いで作ります。水蒸気を当てるフローラルウォーターの方が、より芳香物質が多く含まれます。揮発成分は、フローラルウォーターの方が、ハーブティーより10~100倍高い濃度と言われています。浸出液はハーブティーと同じです。煎出液はハーブを煎じてできたもの、チンキはアルコールにハーブを浸してできるもの、浸出油はオイルにハーブを浸してできるものです。

アロマウォーター

精油をアルコールと精製水などに加えて作る溶液のことを言います。商品として売られている場合は特に混同しやすいかもしれません。

芳香水

これも特に紛らわしく、蒸留水にエッセンシャルオイルを分散、もしくは溶解したものです。グリセリンで精油を溶かして作られたものもあります。

フローラルウォーターの主な効能・利点

禁忌事項が殆どない

フローラルウォーターには、禁忌事項が殆どないのが特徴です。というのも、精油と異なり、フローラルウォーターに含まれる成分の濃度がとても低いです。成分濃度は精油の0.1~0.01%と言われています。そのため、精油では刺激が強かったり、妊娠中は避けなけらばならない植物でも、フローラルウォーターではほぼ使用できます。(※100%安全ではありません。)作用はその分ゆっくりですが、安全性は極めて高いと言えます。

スキンケアにいい

フローラルウォーターの歴史は、化粧水の歴史とも言われていて、古くからスキンケアとして使用されてきました。植物の種類によって誤差がありますが、基本的にフローラルウォーターには、保湿効果、角質をケア、肌の引き締め、エモリエント効果、ピーリング、美白効果、かゆみ止めなどがあると言われています。

ヘアケアにいい

フローラルウォーターは頭皮環境にもいいと言われています。フケの防止や頭皮の強壮、脱毛予防、栄養補給による育毛、かゆみ止めなどが期待できます。

使用する人の土地で育ったハーブがよりいい

その土地の旬な野菜を食べるといいと言われるように、ハーブも使用する人が育った土地の新鮮なものを使用するのがいいと言われています。それは、同じ場所で育ったものの方が、ひとの体への親和性が高いと考えられるからです。

フローラルウォーターの注意点

似ている商品に気を付ける

前述したような、芳香水、アロマウォーターのようなフローラルウォーターに似ている商品には注意が必要です。なかには、フローラルウォーターやハーブウォーターという名称で、中身は違うものもみかけます。

植物の学名をチェック

どの植物が使われているか、ラテン語の学名を見ることが大切です。学名があることで、きちんと天然のものから作られていることもわかります。

有害成分や添加物が含まれていないか

一般細菌、重金属、砒素、カドニウムの残留がないかを調べる必要があります。保存性を高めるため、エタノールが添付されているフローラルウォーターがよくあります。肌に使用すると濃度によっては炎症を起こす場合があります。また、特に輸入品に関しては、パラベン、フェノール、エトキシエタノールといった防腐剤が添付されている場合があります。フローラルウォーターの安定化のために、アルコールが添付されている場合もあります。「雑貨」として売られている場合、これらの添加物の表示義務はないので、肌に使用する場合は確認が必要です。

無農薬・有機栽培で育ったハーブか

質の良いフローラルウォーターはすべて無農薬や有機栽培で育ったハーブから作られます。そうでない場合は、残留農薬が含まれていないか、品質のチェックが必要です。

保存期間が精油に比べて短い

保存期間は、種類によりますが早いもので3か月、長いもので 2年ほどと言われています。3か月というのは、ものからその植物に防腐作用のある成分があまり含まれていないことが理由の一つです。劣化が早いものも多いので、防腐剤や安定剤を添加されている商品もそれだけ多いので注意が必要です。

フローラルウォーターの使い方

フローラルウォーターの使い方やレシピは今後詳細を増やしていく予定です。今回は簡単にお伝えしています。

化粧水(ローション)として

スキンケアとしての効能が期待できることから、フローラルウォーターはそのまま化粧水として使用されることが多くあります。乾燥肌にはローズウォーター、脂性肌にはペパーミントウォーター、といった感じに肌質によって使い分けます。また、さらに保湿が必要な場合は、オイルを混ぜたりして自分の肌に合った化粧水が作れます。

飲用として

フローラルウォーターは精油と違って成分濃度が低いので、飲めると言われてます。しかし、雑貨として扱われる日本では、中々飲用水としてのフローラルウォーターは普及していません。通常売られているものは、エタノールなどの添加物は含まれていたり、どのように蒸留されているかがわからないので、むやみに飲むことは危険です。

リネンウォーターとして

フローラルウォーターの適度な殺菌作用と芳香によって、そのままリネンウォーターに使用する場合も多くあります。天然の香りなので、ほのかに良い香りが着くのが魅力です。

ルームスプレーとして

部屋全体を香らせるには、少し香りが少ないですが、部屋の浄化やリフレッシュにはとても向いています。

精油と一緒に

精油の方が成分が凝縮されているので、効果も香りも強いです。精油の補助的なものとして使用するのにも向いています。例えば、精製水と精油を使用して手作り化粧品などを作る場合、その精製水をフローラルウォーターに変えてみる、という形です。




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注意点&免責事項:ここに掲載されている内容は、フローラルウォーターの治療や薬としての有効性を保証するものではありません。事故やトラブルに関してこのサイトは責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。内用する際は飲料用のフローラルウォーターをご購入ください。

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