ラベンダーの種類を徹底分析|アロマオイル・精油・エッセンシャルオイル紹介
ラベンダーの種類
ラベンダーは育てやすく交雑種を生みやすいため、沢山の種類があります。そのため精油にも沢山の種類があります。学名が異なるものの場合もあれば、学名が同じものでも違う名称で呼ばれていることもあります。ここでは精油でみかける主なラベンダーの種類と違いを説明しています。
目次
一般的なラベンダー
ラベンダー、真正ラベンダー、コモンラベンダー、イングリッシュラベンダー
一般的にラベンダーというと、Lavandula offinalis またはLavandula angustifoliaのことを指します。呼び方は様々で、ラベンダー、真正ラベンダー、コモンラベンダー、イングリッシュラベンダーなどと言われます。真正ラベンダーは、ほかの種のラベンダーと区別をするために使われます。全て同じ植物を指します。
英名 |
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学名 |
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科名 | シソ科 |
原産 | ヨーロッパを中心に様々な国 |
香り | ハーブとフローラルが混ざった優しい香り |
成分 | 酢酸リナリル、リナロール、オシメン、テルピネン、酢酸ラバンジル等 |
ラベンダーエクストラと、ラベンダーファイン
ラベンダーエクストラとラベンダーファインも、上記と同じ真正ラベンダーで、学名も同じ、Lavandula offinalis、またはLavandula angustifoliaのことを指します。これらの名称は、真正ラベンダーの中でもラベンダーエクストラ、ラベンダーファインと区別をする場合に使います。ラベンダーエクストラは、特にプロヴァンス地方の標高の高い場所で、野生に育ったものを言います。ラベンダーファインは栽培種です。
ラベンダーエクストラ | ラベンダーファイン | |
英名 | Lavender extra | Lavender fine |
学名 |
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科名 | シソ科 | |
種類 | 野生種 | 栽培種 |
香り | フレッシュで草の、より優しいフローラルさがあるラベンダーの香り | フレッシュで草の、ややフローラルなラベンダーの香り |
成分 | 酢酸リナリル(40%以上)、リナロール(30%以上)、ピネン等 | 酢酸リナリル、リナロール、β-カリオフィレン、ピネン等 |
ラベンダーの他の種類
学名は異なりますが、ラベンダーの仲間がいくつか存在します。
スパイクラベンダー
学名がLavandula latifolia、もしくはLavandula spicaはスパイクラベンダーと呼ばれます。
英名 | Spike Lavender |
学名 |
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科名 | シソ科 |
原産 | スペインやスランス |
香り | ラベンダーをよりはっきり、クリアにした香り |
成分 | リナロール、1,8-シネオール、カンファー、ピネン、リモネン等 |
ラバンジン、ラバンディン
学名がLavandula hybrida、もしくはLavandula flagransは、ラバンジン、ラバンディンと呼ばれます。
英名 | Lavandin |
学名 |
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科名 | シソ科 |
原産 | 地中海を中心としたヨーロッパ |
香り | ラベンダーに少しスパイシーさが加わった香り |
成分 | 酢酸リナリル、リナロール、カンファー、1,8-シネオール等 |
ラバンジンは、スパイクラベンダーと真正ラベンダーの交雑種です。その混ざり方によって、さらに4種類のラバンジンを見つけることができます。
- ラバンジンスーパー (Lavandin Super) ・・・よりラベンダーに近い。一番良質。
- ラバンジンアブリアル (Lavandin Abrialis) ・・・一番古くから栽培されていた品種。
- ラバンジングロッソ (Lavandin Grosso) ・・・一番流通しているラバンジン。
- ラバンジンスミアン (Lavandin Sumian) ・・・アブリアルにとても似ている。今では殆ど栽培されていない。
フレンチラベンダー、スパニッシュラベンダー、ストエカスラベンダー
学名がLavandula stoechasは、フレンチラベンダー、スパニッシュラベンダー、ストエカスラベンダーなどと呼ばれます。
英名 |
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学名 | Lavandula stoechas |
科名 | シソ科 |
原産 | 地中海を中心としたヨーロッパ |
香り | カンファーにも似た、少しツンとするフレッシュな草の香り |
成分 | フェンコン、カンファー、δ-3-カレン等 |
ラベンダーの見た目の違い
真正ラベンダー
一番一般的なラベンダーです。綺麗な紫色をしています。背丈は低く、花は紫が一般的ですが、白やピンクの場合もあります。 |
スパイクラベンダー
スパイクラベンダーは、真正ラベンダーより背丈が高く、葉の部分が大きいです。真正ラベンダーと比べると、花よりガクの部分が目立ち、花は淡い色になります。標高が500m以下の低地を好んで自生しています。 |
ラバンジン
ラバンジンは、真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交雑種です。外観は真正ラベンダーによく似ていますが、色が淡くなります。ラベンダーより大きく、3つに枝分かれして各々に花がつくことが特徴です。 |
フレンチラベンダー
フレンチラベンダーは先に二つの花穂があることが特徴です。綺麗な赤紫色をしています。 |
ラベンダーの効能の違い
真正ラベンダー
ラベンダーはあらゆる効能がありますが、真正ラベンダーの一番の特徴は、酢酸リナリルとリナロールを多く含んでいることです。そのため、鎮静作用や神経のバランス作用が強く働き、「癒し」の香りと言えます。強い鎮静作用は、神経だけでなく、炎症や火傷を起こした肌にも効果的です。
スパイクラベンダー
スパイクラベンダーは、真正ラベンダーと比べるとより作用が強くなります。成分は、リナロールとシネオール、カンファーで大半を占めます。そのため香りもカンファーが混ざった、少し刺激のある香りになります。皮膚の疾患には真正ラベンダーより強く働きかけますが、その分刺激も強くなります。真正ラベンダーの程の癒しの効果はなく、免疫向上や抗ウイルス、去痰といった作用に優れます。
ラバンジン
真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交雑種のラバンジンは、二つの性質をもち、環境に強い品種です。成分は、リナロール、酢酸リナリルが大半を占め、真正ラベンダーにはないカンファーとシネオールも含みます。香りは真正ラベンダーよりさっぱりしています。癒し効果は真正ラベンダーより弱まりますが、その分リフレッシュ効果が期待できます。その他、皮膚への抗炎症効果などもあります。
フレンチラベンダー
フレンチラベンダーの成分は、フェンコン、カンファー、δ-3-カレン等で、ほかのラベンダーとは少し異なりますが効能は似ています。香りはカンファーとすこし刺激もある香りも混ざっていてよりハーブ系に近い香りです。鎮静効果はありますが、より刺激的で活性化する作用が強いです。防虫、抗菌、抗ウイルス作用に優れます。
次はこれを要チェック
ここで見てきたように、精油には一見同じように見えても、違う種類のものが沢山あります。混乱しやすい植物をまとめていますので、下記をご覧ください。
精油の作用一覧は下記へ
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