25, プールヴァバッドゥラ(Purva Bhadra)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの25つ目、プールヴァバッドゥラの説明をしていきます。
目次
プールヴァバッドゥラの意味
人生の本当の意味が明らかになる場所
プールヴァバッドゥラと次のウッタラバッドゥラは1つのナクシャトラが分かれたものです。2つの反対の力に引き裂かれ、全く異なった個性を持ちながら、1つの原理を形成しています。木星がプールヴァ、土星がウッタラを支配しています。この2つは太陽と月、闇と光、火と水、温かさと冷たさ、男性性と女性性、ライオンと牛を象徴しています。Puruvaは最初を意味します。Bhadraは美しさ、縁起の良い、祝福された、優雅さ、幸福などたくさんの意味があります。恩恵は通常過去の良い行いの結果で、だから今幸運として経験できているとされています。幸運は経済的な富だけでは無く、良い家族や関係性、子供を持つこと、よい生活を送ることが含まれていて、さらに知識が真の美しさを見つけるように導いてくれることを差します。この美しさは肉体的な美ではなく、魂とスピリチュアルな内面の愛らしさです。プールヴァバッドゥラは人生の本当の意味が理解され、明らかにされる場所です。ここでは自分自身が平和でいることの学び、個人的な報酬・栄光・野心に対しての期待を手放すことの学びを教えてくれます。
プールヴァバッドゥラのパーソナリティー
月のナクシャトラがプールヴァバッドゥラの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
プールヴァバッドゥラの人は平和を愛し、知性があります。偏見が無く、シンプルな生活を大切にしています。スピリチュアルな道を信じ、それに沿って生活をしています。プールヴァバッドゥラの人の心は純粋で、いつも他の人を助ける準備ができています。物質的な豊かさ以上に、精神的な豊かさを持っています。真実を大切にし、真実を話します。どんな状況でも楽天的にいることができます。プールヴァバッドゥラの人は愛情深く、フレンドリーです。そのため愛情を持った人に出会うことができます。人間関係では正直さを大切にし、誰も傷つけようとしません。そのため周りの人もプールヴァバッドゥラの人を信頼します。道徳心が高く、周りの人のロールモデルとなります。そして宇宙のリズムと調和して、スピリチュアルな生活をすることができます。
更に専門的にプールヴァバッドゥラの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
プールヴァバッドゥラのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Purva Bhadra, Purva Bhadrapada, Poorvabhadrapada |
読み方 | プールヴァバッドゥラ(パダ)、プールヴァバードラパダー、など |
天文学の星 | ペガスス座α星=マルカブ、β星=シェアト |
星座の対応 | みずがめ座 20°00′ – うお座 3°20′ |
支配星 | 木星 |
神様 | Aja Ekapada |
シンボル | 剣 |
人生の目的 | アルタ |
動物 | ライオン |
ジェンダー | 男 |
ドーシャ | ヴァータ |
エレメント | 空 |
グナ | サットヴァーサットヴァーラジャス |
カースト | ブラフミン |
ガナ | Nara(人間) |
方角 | 西 |
音 | Say, So, Daa, Dee |
色 | シルバー |
身体 | 左のもも |
鉱物 | イエローサファイヤ |
ラッキーナンバー | 3 |
パダ|Padas
Pada 1 | おひつじ座 |
Pada 2 | おうし座 |
Pada 3 | ふたご座 |
Pada 4 | かに座 |
プールヴァバッドゥラの特徴詳細
支配星:木星
木星はブリハスパティとも呼ばれ、神々の師です。知識がキーになります。木星は拡大、幸福、高い知識を意味し、この人生に豊かさ、快適さ、幸福をもたらす過去のカルマのポジティブな結果です。木星のメインの関心事は、個人が本質的なスピリチュアルな成長に集中できるように、物質的に良い生活を与えることです。木星が支配するナクシャトラには導きがあります。木星はプールヴァバッドゥラを神聖な旅にガイドし、自分自身の知識を思い出すための旅のために、人々を導く教師にさせてくれます。
神様:Aja Ekapada
アジャエカパダがプールヴァバッドゥラの支配神で、一つ足の山羊の姿をしています。Ajaはまだ生まれていない、Ekaは足を意味します。アジャエカパダはルドラの化身で、シヴァと密接に関係しています。彼は太陽と、神聖な火であるアグニとも関係しています。また、アジャエカパダは音や動きが無い、無限の空間と関係していて、そこは表面下には創造のエネルギーが溢れているものの、外側には静けさのある場所です。そしてスピリチュアルな強い憧れがあります。ルドラは神と人間を守るために悪魔と戦っています。山羊はミルクを与え、一人で暮らし、静けさの中にいるか、まだ生まれていない状態です。内なる望みを言語化することができません。他の人からの助けは必要は無く、自分で生活を維持しています。この山羊は決して外見上美しいとは言えないかもしれませんが、何かを与え、支えることによって山羊の美しさが明らかになります。この山羊の醜さは、プールヴァバッドゥラのカルマの残りを象徴しています。プールヴァバッドゥラの人は、微細なレベルで自分のカルマの問題をはっきり認識しているのです。アジャエカパダはまだ生まれていない未来を創造しています。そしてプールヴァバッドゥラにも同じようにまだ出てきていない才能が沢山あります。ある人はそれを今表現しようとするかもしれないし、ある人は次の人生で表現するかもしれません。
シンボル:剣
プールヴァバッドゥラのシンボルは、攻撃と防御両方に使われる剣です。剣はあらゆる制限を切り、宇宙の大義のために戦うシンボルです。この剣は、悪質な理由も含めて、多くの宗教的、スピリチュアル的な大義の為に使われてきました。剣は弱さを守るのに良いので、人々は剣のパワーを使うのに、非常に残酷になったこともありました。剣は理想を貫くための武器でもあり、理想の質は、剣を使う人によって違います。問題は、彼らがどのような理想を求め、達成するためにどうするかです。ペンはまた言葉の剣とも考えられています。プールヴァバッドゥラの人は、大義のために進むことにとてもダイナミックで、そのための戦いに躊躇しません。もし剣を賢く使うならば、ネガティブを切り裂き、真実への道をはっきりと見ることができます。
動物:ライオン
ライオンは女性のパワーを擬人化した女神ドゥルガーの動物です。彼女はシヴァの神妃で、悪魔マヒシャから世界を救うために生まれてきました(スワティを参照)。彼女はいつも激しい動物であるライオンに乗り、それは彼女がより低い衝動の残忍さをコントロールできる能力を示しています。ライオンはジャングルの王です。同じようにプールヴァバッドゥラは力を持った立場を得ることができます。とても強い内面を持っているかもしれません。ライオンをシンボルとして持つことは、自己実現の道をマスターしなければならない強い衝動の象徴です。ドゥルガーは神を守るための激しい戦争を繰り広げます。剣は戦争の象徴でもあります。この戦いは、自己実現のための最終ステージで、低い自己を落ち着かせるための戦いです。
人生の目的:アルタ
アルタは通常は仕事や富が作り出す行為と関係していますが、微細なレベルでは「答え」を意味します。プールヴァバッドゥラの人は、実践的な世界のアルタを超越して見ていて、創造と調和することで宇宙に解決策を探します。プールヴァバッドゥラの人は、必要とする人をサポートしたり、誰かに利益を与えるサポートシステムを作るといった、アルタの実践的な表現を通じてより良い答えを導いていきます。彼らはスピリチュアルそのもので、彼らの道は与えることと結びついています。彼らのカルマは思いやり、優しさ、不正の為に戦うことです。彼らの内なる自己は、すべての善のための恩恵を反映している太陽の純粋さと繋がっています。そして見返りを求めない木星の無私の心に繋がり、最終的に完全に自立しながら他の人を支える一本足の山羊であるアジャエカパダに繋がっています。
星座:みずがめ座とうお座
プールヴァバッドゥラ | |||
みずがめ座 | うお座 | ||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
おひつじ座 | おうし座 | ふたご座 | かに座 |
プールヴァバッドゥラは、最後のパダだけうお座になり、最初の3つのパダはみずがめ座に対応しています。みずがめ座は土星が支配していて、プールヴァバッドゥラは木星が支配しています。木星と土星は拡大と制限の二面性を象徴しています。そしてその二面性は最終的に永遠のバランスへと導きます。みずがめ座では、土星はプールヴァバッドゥラが目的を達成することを制限することがあります。そこに人類のための責任と、解決しなければならないエゴの問題がまだ存在している場合です。物質的な生活もここではまだ必要です。木星はこのバランスを保つ間ガイドしてくれます。うお座では木星が星座とナクシャトラ両方を支配します。ここは目標達成のための最後の後押しがされる場所です。魂は非常に成熟していますが、宇宙の計画と一つになるように追い込まれた感覚があるので、未熟な間違いをする場合もあります。うお座はただ永遠と融合したいと思っています。ナクシャトラが終わりに近づくにつれて、魂は物質的な世界への執着が無くなり、よりスピリチュアルな世界に興味を持ちます。そうであっても、まだこの実質的な世界にも住んでいなければならないことを認識しなければなりません。
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