20, プールヴァアシャダ(Purva Ashadha)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの20つ目、プールヴァアシャダの説明をしていきます。
目次
プールヴァシャダの意味
真の才能が明らかになる場所
Purvaは最初の、Ashadhaは抑えられないという意味のサンスクリット語です。そこからプールヴァアシャダという名前には抑えることができないという意味があります。人間の本質は、直面しなければならない反発が何かに関わらず出てきます。これは一つ後のナクシャトラであるウッタラアシャダに繋がっていて、新しい才能を開花するという共通の原則を示しています。プールヴァアシャダでは、その才能を完全に表現するためのブロックがまだ存在し、そのブロックからの学びが重要な経験の一つです。そしウッタラアシャダに移行し変化を受け入れます。どんなに一生懸命抑えようとしても、真の性質は明らかになっていきます。プールヴァアシャダの人はどんな状況に直面したとしても、最終的に目標を達成します。プールヴァアシャダは新しい可能性の発見、潜在的な能力を外に出すこと、その人の一番価値のある性質の発見を示しています。人生の意味が突然明らかになり、隠れていた知識が現れ、直感的な能力が研ぎ澄まされます。プールヴァアシャダは決して奪われることの無い知識を発展させ、多くの才能を持つとてもクリエイティブな人になります。
プールヴァアシャダのパーソナリティー
月のナクシャトラがプールヴァアシャダの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
プールヴァアシャダは無敵の星とも訳されるように、プールヴァアシャダの人は不屈の精神を持っています。そして周りの人に影響を与えていく能力を持っている、誇り高く独立した人です。内側の深さを持っていますが、これは彼らの人生に対するアグレッシブなアプローチによって隠れている場合があります。プールヴァアシャダの人は、周りからの見え方が大切で、名声と人気を強く望んでいます。そして、不安になりやすい傾向があり、ポジティブな考えと健全な自尊心を保つために、外側から自分を見ることを必要とします。直感が優れていて、他人の欠点や不十分なところを一瞬で見抜く能力もあります。プールヴァアシャダの人はすぐに決断を下すという性質があります。その決定が間違っているか正しいかは関係なく、何かを決めたらそれをやります。この性質が時には誤解を引き起こすこともあります。自信があり、簡単にあきらめません。野心的でリスクを冒す準備ができています。
更に専門的にプールヴァアシャダの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
プールヴァアシャダのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Purva Ashadha, Poorvashadha |
読み方 | プールヴァアシャダ、プールヴァシャダ、プールヴァアシャーダー、プールヴァシェーダー、など |
天文学の星 | いて座δ(デルタ)星=カウスメディア、ε(イプシロン)星=カウスアウストラリス |
星座の対応 | いて座 13°20′ – 26°40′ |
支配星 | 金星 |
神様 | Apas |
シンボル | 象の牙 |
人生の目的 | モークシャ |
動物 | 猿 |
ジェンダー | 男 |
ドーシャ | ピッタ |
エレメント | 風 |
グナ | サットヴァーラジャスータマス |
カースト | ブラフミン |
ガナ | Nara(人間) |
方角 | 東 |
音 | Bu, Dha, Bha, Dha |
色 | 黒 |
身体 | 背中 |
鉱物 | ダイアモンド |
ラッキーナンバー | 6 |
パダ|Padas
Pada 1 | しし座 |
Pada 2 | おとめ座 |
Pada 3 | てんびん座 |
Pada 4 | さそり座 |
プールヴァアシャダの特徴詳細
支配星:金星
プールヴァアシャダの支配星は金星です。プールヴァアシャダは私たちの内なる強さを外に出し、自分自身の光を見つけるガイドをしてくれます。途中で困難が訪れることがあったとしても、金星はその道を緩和させ、叡智が繁栄する状況を創ってくれます。金星は芸術や工芸、音楽、芝居などの才能を与えてくれます。金星に影響される人は、自分に完璧を求め、究極の幸せを求め、才能の最高の表現を求めるので、自分に対する疑いに悩まされる場合があります。その場合はまだ自分の人間性によって制限されている状態です。プールヴァアシャダでは才能と潜在的なスピリチュアリティーの啓示が起こりますが、生活自体は物質的な道を生きることが大切になります。
神様:Apas
アーパスは水の神で、このナクシャトラの変化の性質を示しています。アーパスは、容器の中の水、つまり抑制されて自由になれない感情を扱っています。アーパスは海の神であるヴァルナと異なります(シャタビシャのページを参照)。アーパスの水は容器に入っていて、物質主義の世界の中に捕らえられたスピリチュアリティです。ヴァルナの水は大海で自由に流れています。アーパスの水はピュアですが、簡単に汚染されます。プールヴァアシャダに位置する惑星は簡単に他からの影響を受けます。アーパスは5大元素の中の一つです。アーパスは水の元素で、第2チャクラと関係しています。アーパスの支配星は金星なので、ここではナクシャトラと神様の支配星の両方が金星で、更に水の元素と第2チャクラと関係しています。水は体の85%を占めているといわれています。そこからも水の元素の重要さが分かります。感情の調和を創り出すために、純粋さを保ち、流れ続けることがとても大切です。体内の水は正しい考え方、行動、正しい食事によって純粋に保たれます。水はいつも魂を浄化し若返らせるために儀式で使われます。水は純潔さとサットヴァの質の象徴です。ガンジス川の水は全ての縁起の良い機会に使われます。プールヴァアシャダでは、魂は過去の罪を浄化し、人生の目的を理解する最後の旅の準備をしたいと思っています。
シンボル:象の牙
象の牙は内側の能力の啓示を示しています。牙は象の中で一番高価な部分で、その美しさが評価され、そのために象が殺されることもあります。ある人はプールヴァアシャダが明らかにする知識に価値を置きますが、この新しい彼らの才能の力を奪おうと、悪魔の力を引き寄せることもできます。プールヴァアシャダは嫉妬に苦しむことがあります。こういったネガティブなエネルギーは、自分自身のブロックに気づき、解放していくことで無くなります。牙は一度切ったらまた成長するように、一度得た知識を取り除くことはできません。高次の自分を求める人は、その道を追求するために自分を浄化しないといけないので、自分を映し出す周りの世界を通じて色々な学びがあります。
動物:猿
猿は理想的な献身者のハヌマーンとして崇められてます。ハヌマーンはヴィシュヌとシヴァとつながっています(スワティを参照)。ハヌマーンはヴィシュヌの化身であるラーマに献身していて、母親のアンジャナはシヴァの献身者でした。ラーマーヤナによると、ブラフマーによってラーヴァナとの戦いでラーマを助けるために、ヴァナラ族の猿たちが創られました。ヴァナラ族はとてもパワフルな猿で、多くの神の特徴を持っています。ヴァナラ族が創られた後、彼らは軍隊を組織し、森へと広がりました。そしてラーヴァナによって捕らえられたラーマの妻シーターを探すのを手伝いました。その後ラーマがスリランカに渡る時、猿たちは魔法のように水面に浮かぶ石の橋を作り、ラーマは海を渡ることができ、ラーヴァナを倒し、シーターを救うことができました。プールヴァアシャダは忠誠心を育み、その人が望むものに対して強力なサポートを与えることができます。彼らは永遠に不正との戦いをします。そして彼らは組織され、計画する能力があります。プールヴァアシャダは敵を倒すため、敵のすべての可能性を消し去る英雄の勇気を示しています。ヴァナラ族のハヌマーンやスグリーヴァの形態をしている猿は、正しい道へ人々を導きます。ヴァナラ族は面白く、子供っぽく、穏やかな刺激があり、人を困らせ、落ち着きがなく、冒険心があり、ぶっきらぼうに正直で、忠誠心と勇気があり、優しいという性質があります。
人生の目的:モークシャ
プールヴァアシャダの人の人生の目的はモークシャのエネルギーです。彼らは自発的にこの道を選び、自分が背負ってきた偉大な使命を理解します。彼らは自分の可能性を明らかにするために経験し、悟りを見つけていきます。彼らのスピリチュアルな道は、霊的開花を止めさせる最後のブロックの理解とつながっています。それは人間関係、キャリア、家族や友人のことかもしれません。それらに対処し、固く結ばれている結び目を解くために、人生の経験をしていくことを学ばなければなりません。
星座:いて座
プールヴァアシャダ | |||
いて座 | |||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
しし座 | おとめ座 | てんびん座 | さそり座 |
プールヴァアシャダは全てのパダがいて座に対応しています。いて座の中にある惑星はスピリチュアルな戦士で、内側と外側の世界を征服し、知識と賢明さを持ちたいと望みます。人々は彼らから学びたいと思い、リーダになる素質がありますが、多くの人は知識を教える教師になりたいと考えます。多くのクリエイティブな天才たちはみずがめ座の下に生まれています。星座の教師である木星と金星がプールヴァアシャダに影響を与え、このナクシャトラに賢さを与えます。いて座はサンスクリット語でDhanuと言いますが、それには弓という意味があります。ヴィシュヌのアバターであるラーマはいつも弓と一緒に描かれます。ラーマは理想的な人物で、偉大な戦士で、ダルマの戦争を戦いました。もう一人の偉大な戦士であるアルジュナはも、偉大な射手として弓と関連づけられています。クリシュナのバガヴァッドギータの教えを通じて解決するアルジュナのジレンマは、いて座の惑星と一緒に多くが直面しているジレンマを説明しています。
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