17, アヌラダ(Anuradha)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの17つ目、アヌラダの説明をしていきます。
目次
アヌラダの意味
どんな状況でも輝けることを知る場所
Anuradhaは稲妻の小さな閃光、小さな火花を意味します。ここではほんの小さな直感の閃光や、意識の小さな火花が、私たちに神聖な意識とのつながりをもたらしてくれることを示しています。Anuは小さな、Radhaはクリシュナの配偶者の名前です。ラダはクリシュナと別の存在でしたが、彼と融合することを望んでいました。ここでもAnuradhaの意味は宇宙と個人の繋がりを示しています。物質主義の世界に浸った魂は、受け継いでいる神聖な性質のことを忘れています。アヌラダは隠された純粋さと、クンダリーニという私たちのなかの神秘的な力を開花させます。そして私たちはより高次の意識への道に向かってアクティベートされます。私たちの秘密にされた可能性の知識は、日常生活に混乱を創らないように、丁寧に扱われる必要があります。
アヌラダのパーソナリティー
月のナクシャトラがアヌラダの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
アヌラダの人は、愛情深く穏やかです。深い信仰心や高い精神性があるため、どんな状況でも動揺しません。人生の中でやってくるハードルによって、アヌラダの人の道が揺さぶられることはありません。アヌラダの人はとても率直で、心の中にため込むことは出来ず、頭に浮かんだことは全て言う傾向があります。そのため、アヌラダの人の言葉に傷つく人もいるかもしれませんが悪気はありません。アヌラダの人は自分の中の原則を大切にしています。そのため沢山の友達がいるタイプではなく、少数の人との関係を保ちます。友人や家族と時間を共にすることが好きで、周りの人を喜んで助けます。自分の目的に真剣に取り組むので、どんな状況になったとしても最終的に成功できます。どんなことも最大限に活用しようとします。アヌラダのシンボルであるロータスが泥の中に咲く花であるように、アヌラダの人は困難な状況を解決するための奇跡的なスキルを持っています。
更に専門的にアヌラダの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
アヌラダのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Anuradha |
読み方 | アヌラダ、アヌラーダー、など |
天文学の星 | さそり座β星=アクラブ、δ星=ジュバ、π星 |
星座の対応 | さそり座 3°20′ – 16°40′ |
支配星 | 土星 |
神様 | Mitra |
シンボル | ロータス |
人生の目的 | ダルマ |
動物 | 鹿 |
ジェンダー | 女 |
ドーシャ | ピッタ |
エレメント | 風 |
グナ | タマスーサットヴァータマス |
カースト | シュードラ |
ガナ | Devas(神様) |
方角 | 南 |
音 | Naa, Nee, Nou, Nay |
色 | レッドブラウン |
身体 | お腹 |
鉱物 | ブルーサファイヤ |
ラッキーナンバー | 17 |
パダ|Padas
Pada 1 | しし座 |
Pada 2 | おとめ座 |
Pada 3 | てんびん座 |
Pada 4 | さそり座 |
アヌラダの特徴詳細
支配星:土星
宇宙の真理の偉大な教師である土星がアヌラダを支配しています。地球に生まれるということは、制限のない世界から制限のある世界にやってきて、その中での経験を楽しむことです。土星はこの地球での制限を教えてくれ、そこからまた真実を思い出すガイドをしてくれます。その土星が支配星のアヌラダの人は、早い段階で制限を学びます。そしてその中で、想像を超えて変化し、幸福をもたらす、捉えどころのない真実を見つける楽しみを見つけます。本来その制限も無いものであると深い部分では理解しているので、その制限を学ぶ経験が辛かったとしても、それに耐える想像を超えた能力を持っています。
神様:Mitra
ミトラはアヌラダを支配する神で、太陽の擬人化です。ミトラは宇宙の母であるアディティの息子の一人で、昼間を支配しています。Mitraは友達という意味で、反対との融合を意味します。彼の力を使って、夜のベールを外し、新しくやってくる昼を体験します。アヌラダでは物質主義に巻き込まれ、隠れてしまった潜在的な可能性を外に出していきます。ミトラは私たちに光を当てることで、私たちの中の暗闇を取り除いてくれます。聖者ヴィシュヴァーミトラは悟りへの困難な道を歩んだミトラの名前です。彼は王になることから聖者になる道を選びました。しかし何度も純粋な道から外れることがありました。インドラの命令によって、彼はアプサラメナカ(Apsara Menaka)に誘惑され、タパシャと言われる禁欲と精神的集中の期間を失いました。Apsaraはインドラの国に住む天の精霊という意味です。何度もヴィシュヴァーミトラは自分の弱さを試されました。しかし毎回彼は正義の道に戻ってきて、最終的に彼はマハリシになりました。アヌラダの人もまた弱さを試されますが、何度も何度もスピリチュアルな道へ戻ってきます。魂は不屈で、決意はとても強いです。
シンボル:ロータス
アヌラダのシンボルは、よどんだ水の上に咲くロータスです。ロータスの花は泥の中に種があり、太陽のエネルギーに向かって開花します。一度開花すると、枯れてまた泥に戻り、このプロセスを繰り返すためにまた根を張ります。ロータスは神々の足元に咲かせる花と言われています。それと同じように、魂は生と死を経験するために生まれ、そして悟りを見つけるためにそこから抜け出すこともできます。ロータスはとても過酷な環境で開花します。それと同じ様にアヌラダの美しさは彼らがどこにいても開花します。彼らが花咲くために、特別な場所や条件は必要ありません。
動物:鹿
鹿は月の乗り物で、月(=心)のマスターであるシヴァと一緒に描かれることもあります。鹿はいつも心のように動いている月を象徴しています。シヴァはヨガの能力を通じて、邪悪な心を制御する能力を持っていました。そしてシミのついた鹿の皮の上に座っていました。この鹿は自然死した鹿です。もし殺された鹿の皮の上に座っていたら、そのネガティブなエネルギーを吸い取り、さらに乱れる心を制御しなければならないでしょう。鹿は、ラーマーヤナとマハーバーラタという、2つのストーリーの中で重要な役割を果たしています。ラーマーヤナでは、シーターがラーマに黄金の鹿を手に入れてほしいと頼みます。黄金の鹿は本当は悪魔が変装していました。その欲求はラーヴァナにさらわれる原因になります。マハーバーラタでは、パーンドゥ王が交尾をしていた雄鹿を殺し、彼がその次に性行為をしたときに死んでしまうという呪いにかけられました。この殺害がこの話の一連の出来事の始まりでした。アヌラダの人はラーマーヤナの鹿のような幻想を追うこともできます。心が落ち着かなくても、シヴァの恩恵が、心の落ち着きと安定を助けるヨガに導いてくれます。
人生の目的:ダルマ
アヌラダはダルマのエネルギーに影響されています。アヌラダの人は神と世界に対する使命を理解しています。彼らは自分の世界においての自分のダルマと正しい行動を考えていて、高次の真実の探求の中で、自分のダルマの性質を表現しようとします。時にこの性質は、新しい真実を明らかにした唯一の人かのように、彼らを独善的にすることもあります。アヌラダのスピリチュアルな道は、神への熱望に向かっていますが地球にあります。地にしっかりと根を張る必要がある木と同じで、枝は空に向かって広がっています。
星座:さそり座
アヌラダ | |||
さそり座 | |||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
しし座 | おとめ座 | てんびん座 | さそり座 |
アヌラダはさそり座の暗い複雑さの中にある美しいナクシャトラです。どんなところでも光り輝くことができることを示しています。人はどんな状況でも自分の中の神性を望むことができます。希望を失ったり、自分の人生を絶望的に考えてはいけません。大切なのは、私たちすべての魂に向かって、霊性と個人の成長の火をつける、ほんの小さな火花だけです。
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