13, ハスタ(Hasta)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの13つ目、ハスタの説明をしていきます。
目次
ハスタの意味
無限の可能性を持っていると気づく場所
Hastaは手という意味です。象とのつながりもあり、象の別の名前でもあります。象の鼻は手でもあり、象は何をやるにも鼻を使います。ハスタは私たちが望むものは何でも達成できると信じる場所です。自分のやりたいことに集中し、それに伴う神聖な恩恵を忘れてしまうこともできます。象はガネーシャとブリハスパティと関係している神聖な動物です。インドでは象は家畜化されていますが、それはハスタは自分自身を訓練し、より高い考え方を学び、そのパワーと能力を自分が望むものを達成するために使えることを示しています。彼らは尊敬され称賛されることもできますし、エゴが制御不可能になる可能性も秘めています。
ハスタのパーソナリティー
月のナクシャトラがハスタの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
ハスタの人は、知性に優れ、鋭い機転と多くの知識を持っています。新しいアイディアも沢山ひらめきます。落ち着いていて、人を惹きつける魅力があります。たとえ詐欺にあったとしても、その不正行為に対して何も言わないくらいの穏やかさがあります。満足感があり、社交的です。精神的な強さを持っていますが、すぐに決断することは苦手です。どんなテーマでもすぐに理解できてしまう頭の良さがあります。平和を愛しているので、口論を避けます。少しためらいはあっても、新しい関係性を築くことができます。ビジネスをとても楽しんでいて、それによって成功し、物質的な豊かさを手に入れます。自分のやりたいことをして、それは他の誰かによって変えられることではありません。ハスタの人は、人生のすべての課題を乗り越えられる内なる力に恵まれています。他の人を助ける準備もできていて、問題があれはそれを解決する方法も知っています。そのため良きカウンセラーになります。人生を楽しみ、世界は遊び場です。その前向きさが人々にエネルギーを与えます。
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ハスタのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Hasta |
読み方 | ハスタ |
天文学の星 | からす座α星=アルキバ、β星=クラズ、γ星=ギェナー、δ星=アルゴラブ |
星座の対応 | おとめ座 10°00′ – 23°20′ |
支配星 | 月 |
神様 | Savitar |
シンボル | 手 |
人生の目的 | モークシャ |
動物 | バッファロー |
ジェンダー | 女 |
ドーシャ | ヴァータ |
エレメント | 火 |
グナ | タマスータマスーラジャス |
カースト | ヴァイシャ |
ガナ | Devas(神様) |
方角 | 南 |
音 | Pu, Shaa, Na, Thaa |
色 | 緑 |
身体 | 指 |
鉱物 | 真珠 |
ラッキーナンバー | 2 |
パダ|Padas
Pada 1 | おひつじ座 |
Pada 2 | おうし座 |
Pada 3 | ふたご座 |
Pada 4 | かに座 |
ハスタの特徴詳細
支配星:月
ハスタは自分の努力と宇宙の法則の理解によって、ポテンシャルを高めていきます。ハスタの支配星である月は、視点の変化を与えて、現実を変化させてくれます。ハスタは個人が変化し、異なる方向へ成長するための性質を持っています。ハスタの人は、月の毎日の満ち欠けのように気分屋です。彼らは自信をもって内側をコントロールしているように見えますが、内側では自分自身に疑問を持っていることも多く、本当はとても傷つきやすく、不安定で、心の中の衝突があります。
神様:Savitar
サヴィトリは太陽神の一人で、アディティの12人の息子の一人です。アディティは永遠の象徴です。12人の息子は12の星座で、永遠のエネルギーの異なる表現を表しています。ウパニシャッドの中でサヴィトリは、マインドをコントロールするために私たちをガイドし、アグニの光を地球に降ろしてくれていると言われています。アグニは知性の火を主ります。そのおかげで私たちは天国を知ることができ、私たちに聖なる光を照らしてくれるように促すことができます。サヴィトリはヴェーダとつながっているとても重要なマントラの一つで呼び出される神です。そのマントラの中で、信者は内側にある一番スピリチュアルな光を見ることをサヴィトリに頼みます。ハスタの人は、サヴィトリの恩恵を通じて、古代の叡智を地球に持ち込み、一般の人たちに説明することができます。この古代の叡智は、マインドをコントロールすることを学んだ後のみに降りてきて、聖なる光を見つけることを可能にします。月と水星の両方がハスタに影響していて、両方ともマインドに関係しています。言葉はマインドを刺激します。マインドがもし制御不可能になっていたら、このマインドは精神的な障害を引き起こします。神聖な音であるマントラは、マインドを超えた力を持つことを助けてくれます。神聖な言葉は私たちをハイヤーセルフに導いてくれます。マインドの力をコントロールできるようにすることで、マインドを思いのままに空っぽにする能力が開発されます。そしてそれは平和で穏やかな、そしてより高い意識の領域に対してオープンでいることができます。
シンボル:手
ハスタのシンボルは手です。手は個人の運命と行いを反映しています。右手と左手はポジティブとネガティブ、男性と女性のエネルギー、過去世と未来世を表していると言われています。4本の指は4つのモチベーションである、ダルマ、アルタ、カーマ、モークシャと、4つの方向を示します。3本の指はラジャス、タマス、サットヴァの3つのグナと、ヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャを示しています。親指を含めた5つの指は五感と五元素を示します。4本の指の関節で別れたエリアは12星座を示し、親指を含めた30のエリアは太陽の動きの30日を示します。このように手からすべての知識を見ることができます。これはハスタの人が知識のマスターであることを示しています。
動物:バッファロー
ドゥルガーとマヒシャースラの神話は、私たちの低い欲望に対する勝利の話です。ハスタではこれはとても重要な戦いです。マヒシャはasura(=悪魔)でした。Mahishaはバッファローという意味です。マヒシャはとても力があり、神々を支配し礼拝を禁止しました。彼は自由に自分を人間にもバッファローにも変えることができました。インドラが彼との戦いに敗れてしまったので、神々はドゥルガーを生み出すことを決め、神々はドゥルガーに力を与えました。彼女はとても美しく非常に強力でした。単独でマヒシャと戦い殺しました。この神話は、ハスタの人がマヒシャのようなエゴを育て、自分が一番力があると思い込まないことが大切と伝えています。ハスタはまた、内なる悪魔を倒すための戦いを示しています。それに長い時間がかかったとしても、女神の祝福があれば、勝利が保証されます。
人生の目的:モークシャ
ハスタの人は、エゴを一番純粋な体験に昇華させる完璧な段階を切望していますが、彼らの外へ向くカルマは物質的な分野にあります。ハスタの人はスピリチュアルな悟りを追求するために自分の資質を利用する必要があることに気づいています。そのため、物質的な生活とスピリチュアルな方向とのバランスをとることを教えてくれるヨガなどに惹かれます。手放すことを学ぶにつれて、内側の対立も始まりますが、平和と調和に行き着くことができます。ハスタはスピリチュアルな意識の夜明けの時期です。そのため、ハスタの人は世俗的な生活を送って幸せになりますが、それだけだとその中には空虚感と不完全感があります。夜明けのようにより高い真実の意識が見えてくると、隙間を埋めてくれます。
星座:おとめ座
ハスタ | |||
おとめ座 | |||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
おひつじ座 | おうし座 | ふたご座 | かに座 |
ハスタは全ておとめ座に対応しています。ハスタの人は全てを知ることができる、もしくは少なくとも全てを知っていると思っています。このことは、彼らに強力なパワーを与える場合もあれば、個人的な成長を制限する場合もあります。彼らは運命の流れを管理することで、魂が求めるようになれると感じています。しかし時々自分自身を更なる物質的な望みの中に制限し、限られたビジョンの中にコントロールしようとする場合もあります。ハスタの本当のビジョンは無限で普遍的であるべきですが、おとめ座は新しい世界の完璧さと純粋さを表現する必要があるので、ハスタは自分の世界の中でその完璧さを達成しようともがき、より広い世界での探求を制御させてしまう場合があります。ハスタの人は自分の方法に合うように関係性を変えることができると心から信じていて、それが本質的に欠陥があるパートナーシップを形成してしまうことにもつながります。
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