6, アールドラー(Ardra)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの6つ目、アールドラーの説明をしていきます。
目次
アールドラーの意味
知性と共により高い目標を達成する場所
アールドラーのステージでは、現状に対する不満によって答えの探究の旅が始まります。混乱と啓発が同時に起こります。Ardraは緑、湿った、涙のしずく、というような意味があります。目が涙で湿っていると視界をぼやけさせますが、涙が渇いた後は浄化され、気分がリフレッシュします。そのような現象がアールドラーのステージで起こります。アールドラーは知的で創造する心の能力があります。アールドラーの人は鋭い思考によって拡大することもできますし、その知性の限界によって制限されれることもあります。知性は心を混乱させることもできますが、無意識と接続し新しい成長のための素晴らしい場所を与えることもできます。
アールドラーのパーソナリティー
月のナクシャトラがアールドラーの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
アールドラーの人は生まれながらの天才で、様々なテーマの知識を得たいという願望があります。陽気な性格で、他人には礼儀正しく振る舞います。ビジネスや研究など、あらゆるジャンルで成功する可能性を持っています。アールドラーの人は他人が考えていることを簡単に読み解きます。優れた直観力と分析能力があるおかげです。世の中のことを理解することにも長けています。何事も深く分析する傾向があります。外見は落ちついて見えますが、内面はいつも活発です。怒りのコントロールは学びの一つです。マルチタスクをこなす能力も持っています。スピリチュアルなことに興味を持つことも多いでしょう。なんでこうなるのか、というアールドラーの人の探究心をくすぐり、宇宙の法則を読み解いていきます。
更に専門的にアールドラーの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
アールドラーのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Ardra |
読み方 | アールドラー |
天文学の星 | ふたご座γ(ガンマ)星 |
星座の対応 | ふたご座 6°40′ – 20°00′ |
支配星 | ラフー |
神様 | Rudra |
シンボル | 涙のしずく |
人生の目的 | カーマ |
動物 | 犬 |
ジェンダー | 女 |
ドーシャ | ヴァ―タ |
エレメント | 水 |
グナ | ラジャスータマスーサットヴァ |
カースト | ブッチャー |
ガナ | Nara(人間) |
方角 | 西 |
音 | Koo, Ghaa, Jna, Chcha |
色 | 緑 |
身体 | 眼 |
鉱物 | ヘッソナイト |
ラッキーナンバー | 4 |
パダ|Padas
Pada 1 | いて座 |
Pada 2 | やぎ座 |
Pada 3 | みずがめ座 |
Pada 4 | うお座 |
アールドラーの特徴詳細
支配星:ラフー
ラフーはより高い目標を達成したいという欲望を持っています。不可能を可能にし、一番高い願望を達成します。同時に無益さを実感し、それ自体が自分の満足を満たしてくれるのではないことを学びます。もちろん達成していくことが悪いわけではありませんが、外側の目標は幻想の一つで、満足感は内側のみに存在します。アールドラーは、知的な完璧さを求めますが、完璧さもまた幻想で、達成することができないので、不満につながります。ラフーは不死の蜜を飲んでしまった悪魔とされているので、孤独です。惑星の神々は、ラフーが自分たちと同じであることを認めません。そのため、変わっているのもラフーの特徴です。
神様: Rudra
ルドラは暴風神です。ルドラは破壊的で激しい性質があります。ルドラはシヴァの化身の一人で、彼のミッションは無知を破壊することです。そのため、彼は自分自身の知識に意識を向け、この世界の現れについての答えを見つけるようにしてくれます。アールドラーのステージでは私たちは自然の法則について学び始めます。初めての時は、この自然の法則に不満を持ち、違う方向へと向かってしまうこともあります。アールドラーに惑星が位置している場合は、その性質の激しさに注意し、破壊的な道を進まないように注意を向けると良いでしょう。
シンボル:涙のしずく、頭、宝石
アールドラーには3つの重要なシンボルがあります。頭、涙のしずく、宝石です。頭のシンボルは、シヴァが怒りで切ったブラフマーの5番目の頭と関連しています。そこには、ブラフマーとシヴァ、どちらが偉大かという論争がありました。ブラフマーは自分だと思い、シヴァを侮辱し始めました。シヴァはブラフマーを罰するためにバイラヴァに生まれ変わり、ブラフマーの5つの頭を怒りで切ってしまいました。その時からフラフマは4つの頭になってしまいました。5つ目の頭を切り落としたところで、バイラヴァはブラフマーを殺したという罪で有罪になりました。その頭はバイラヴァの手にくっついて取れなくなりました。どうやったらこの罪から解放されるかをバイラヴァがシヴァに尋ねると、シヴァは適切な場所を見つけるまで、当てもなくさまよわなくてはならないと言いました。バイラヴァは何年もさまよい、最終的にワラナシにたどり着いたところでくっついた頭が取れました。このブラフマーの頭とバイラヴァは、アールドラーのパワフルですがとても破壊的な側面を象徴しています。アールドラーの人はすぐにカッとなる性質があり、自分自身を許せるようになるまでに何年もかかるような、激しい経験をする場合があります。アールドラーは許しの探究です。これはグル(=師)、人々、アールドラーの人が喜んで行う要因となるものへの献身です。涙のしずくというシンボルは、アールドラーの人が悲しみを理解しなければならないことを意味します。涙が流れた後は、視界がクリアになります。アールドラーの人は頭で識別する一方で、感情を理解しなければならないのです。宝石のシンボルは、太陽からの動的、神秘的、スピリチュアルなエネルギーを吸収する能力を示しています。宝石は周りのエネルギーを吸収してつける人にそのエネルギーを送ります。アールドラーはこれらのエネルギーを吸収する能力と良くも悪くもそれを使う能力を持ち合わせます。
動物:犬
バイラヴァの神聖な乗り物は犬です。Bhairavaの意味は恐れです。シヴァの怒りの側面であり、消滅とも関わります。彼は蛇をまとって描かれることもあります。土星は黒い犬と一緒に描かれるので、バイラヴァは土星を偶像化した神と間違えられますが、土星はシヴァを崇拝し、特にバイラヴァの信者です。バイラヴァは非常に激しく罪や弱みを取り除いてくれるので、人々はアルコールや肉、その他の中毒となるものを彼が祭ってある神社にお供えをします。彼のエネルギーはとても強力で、どんなに強い自己否定も、弱点も取り除いてくれるパワーがあります。
人生の目的:カーマ
アールドラーの人生の目的はカーマのエネルギーです。カーマはとても純粋なレベルの望みや必要性です。この地球に生まれてきたと同時に、私たちは望みを持ちます。カーマは性的、宗教的、人生や大義のための情熱です。アールドラーの下では、情熱は達成のためにあり、不可能な夢をかなえることで、生まれ持った可能性を現実にし、理解を高めることです。次の項目で記載したふたご座の2つの対のエネルギーとアールドラーのカーマのエネルギーが一緒になり、性的な関係への興味も作り上げます。
星座:ふたご座
アールドラー | |||
ふたご座 | |||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
いて座 | やぎ座 | みずがめ座 | うお座 |
アールドラーはふたご座に対応しています。ふたご座はサンスクリット語でMithunaと言いますが、その意味は、2つの、個々でない、連結部分、一緒に過ごす、双子、男女の結合などがあります。ふたご座は、おひつじ座から始まる星座の三番目で、知的な繁栄をもたらします。ふたご座のシンボルは2つの対になっているものですが、これは宇宙の意識と物質的な現実世界の2つの側面を表しています。そして男女の結合は、ある視点からみた存在の二重性を表していて、ふたご座はその他のどの星座よりも、ソウルメイトやツインソウルなどと呼ばれることもある、ペアとなる相手を見つけることに関連しています。本来は、私たちは自分だけで全てであり一つです。しかし、ふたご座の魂は、自分だけで一つを感じるにはまだ未成熟な場合は、自分以外の存在との関係性から、一つの感覚を学ぼうとします。関係性からまた違う関係性へ、一つのアイディアからまた別のアイディアへ、人生の中で無くなったと思い込んでいるパズルのピースを探します。彼らの人生の旅は外側の物質的な領域に意識が向きます。答えを外に求めている限り不満が高まり、自分が満足できないことに気づいていきます。自分の内側の真実に気づいている人は、外側での体験に翻弄されず存分に楽しめます。
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