Nakshatra

3, クリッティカー(Krittika)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ

ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの3つ目、クリッティカーの説明をしていきます。

ナクシャトラとは ナクシャトラ一覧

目次

  1. クリッティカーの意味
  2. クリッティカーのパーソナリティー
  3. クリッティカーのデータ
  4. クリッティカーの特徴詳細



クリッティカーの意味

男性的なエネルギーの使い方を学ぶ場所

Kritは切る、分割するという意味、tikaはチャレンジという意味があります。そこからクリッティカーは、挑戦、反対に立ち向かっていくことを恐れないという意味があります。そして激しく破壊的な性質があるとされています。クリッティカーは6つの目に見える星と1つの目に見えない星で構成されていると言われてきました。その星はプレアデスとも呼ばれます。リグヴェーダはクリッティカーに対応する神であるアグニからはじまり、クリッティカーの支配星が太陽であることから、ナクシャトラはアシュヴィニーではなく、クリッティカーから始まると考えられてい場合もあります。



クリッティカーのパーソナリティー

月のナクシャトラがクリッティカーの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら

ナクシャトラファインダー

クリッティカーの人は優れたアドバイザーであり、ポジティブです。英語のcriticalはクリッティカーに由来しています。そのため、クリッティカーの人は批判的に物事を見て修正しようとする性質があります。物事の結果を分析し、隠れた長所と短所を見つけることも得意です。そのため、クリッティカーの人は他人の問題に効果的な提案をができる才能を持っています。誰かから恩恵を受けることが好きではなく、名声には興味がありません。自分で全てを行いたいと思っています。状況にうまく適応することが難しく、自分の決断に従う傾向があります。外から見ると、クリッティカーの人は厳しく見えるかもしれませんが、沢山の愛情と思いやりが内側にあります。クリッティカーの人が怒るときは、規律を維持するためです。とても真面目で、失敗したり遅れをとることが好きではないので、そのために自分の分野に力を注ぎます。ハードワークで目標を達成し、物質的な豊かさを手に入れていきます。


更に専門的にクリッティカーの特徴を知りたい人は下へ進んでください。

クリッティカーのデータ

※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。

名前 Krittika
読み方 クリッティカー
天文学の星 プレアデス星団
星座の対応 おひつじ座 26°40′ – おうし座 10°00′
支配星 太陽
神様 Agni
シンボル 斧、火
人生の目的 カーマ
動物 山羊・羊
ジェンダー
ドーシャ カパ
エレメント
グナ ラジャスーラジャスーサットヴァ
カースト ブラフミン
ガナ Rakshasa(悪魔)
方角
Aa, Ee, U, A
身体
鉱物 ルビー
ラッキーナンバー 1,3

パダ|Padas

Pada 1 いて座
Pada 2 やぎ座
Pada 3 みずがめ座
Pada 4 うお座

クリッティカーの特徴詳細

支配星:太陽

クリッティカーの支配星は太陽です。太陽は権威、力、バイタリティー、強さなどを表します。暖かく、激しく、協力的であると同時に破壊的な部分もあります。太陽は生きるために必要ですが、近づきすぎると燃え尽きてしまいます。この太陽の火は、知性、アイディア、情熱、感情、怒り、嫉妬の火とも言うことができます。クリッティカーの抑制されることの無い激しい感情は、強烈な破壊力があります。火の問題は、どの方向へ広がるかがわからなく、すべてを燃やしてしまう可能性さえあることです。クリッティカーの人はそのエネルギーを和らげる必要があります。そうしないと自己破壊的な力にもなってしまうからです。



神様: Agni

アグニとは、火の神様で生贄を受け入れる者です。アグニは神々の世界とのメッセンジャーなので、アグニに対する犠牲は神へとつながるとされています。アグニは永遠の若さを持っています。多くのお寺では、火を継続的に燃やしたり、毎日火をつけています。アグニは7つの燃えるような舌と赤い2つの顔で表されます。さらに黒い目と髪、3つの足と7つの腕を持っています。これらの特徴は破壊的な面と慈悲深い面の両方があることを意味しています。自分自身を誇り高く思うことと、エゴとのバランスをクリッティカーの人にもたらします。アグニは神聖な火であり、心の火・願望の火・知性の火を象徴しています。そしてアグニが表す7つの炎は、7つのレベルの意識が作動することを可能にします。アグニが各個人にどのような影響を与えるかは個人のスピリチュアルな成長によって異なります。アグニは爆発しやすいので、個々の成長と適切な利用がされない限り、簡単に制御不可能になります。そのため、クリッティカーの人は、その爆発的な性質があることを自覚し、管理できるようにする必要があります。クリッティカーに位置する惑星がある場合は、同じくその性質に注意する必要があります。

ナクシャトラと神様・シンボル

シンボル:斧、火

アグニは斧、たいまつ、祈りのビーズ、炎の槍などを7つの手にもっていました。これら全てがシンボルと言えます。祈りのビーズ以外のシンボルは、良い方向だけでなく悪いほうにも使うことができます。それはすべて使う人がどれくらいスピリチュアルな成長をしているかに関わります。炎の槍は全てを切り倒し、タマスの破壊をもたらすとされています。火は燃やすこともできるし、啓発することもできるのです。アグニの7本の腕は、本来とても神聖な意味合いを持つswastika(=スワスティカ、卍)を表しています。スワスティカは内なる成長、スピリチュアルな発展を意味します。そこからも、クリッティカーは自分自身を成長させていくことに責任を持つことを学ばなければなりません。クリッティカーに位置する惑星は、何かしらの形で成長していく、育んでいくことが大切です。

ナクシャトラと神様・シンボル

動物:山羊・羊

山羊はアグニが乗っている動物です。月の神の義父であるダクシャ・プラジャパティはシヴァから山羊の頭を与えられたと言われています。この話は怒り、犠牲、社会からの疎外、私たちの行動の結果という、クリッティカーの重要な資質を表現しています。ダクシャ・プラジャパティは偉大な儀式を取りまとめていましたが、娘のサティと結婚していたシヴァを招待しませんでした。義理の息子が他の神々の基準に追いついていないと感じていたからです。シヴァはいつも部外者で、しきたりを気にしませんでした。サティは父親の態度を軽蔑し、聖なる火の中に身を投げて死んでしまいました。シヴァは怒ってカイラス山から髪の房を投げました。その房から3つの目と千の腕を持つヴィラバドラが現れました。そして他のシヴァの信者と共に暴動を起こしました。ダクシャは首を切られました。ダクシャの父であるブラフマーが介入し、シヴァにダクシャの命を返してくれと頼みました。しかしヴィラバドラはダクシャの頭を火に投げ込みました。そのため山羊の頭がダクシャに与えられました。この話のように、クリッティカーの人はすぐに怒ったり、自分に向けられた怒りに直面しがちです。彼らはいかなる不公平も嫌いますが、社会は彼らを異端者として扱います。怒りや欲求不満にもその結果があります。シヴァはダクシャに違う頭を与えたことで許しました。クリッティカーの人は、怒りが費やされた後に新しい形態をとることができます。そして自分自身を許すことも学ばないといけません。

ナクシャトラと動物

人生の目的:カーマ

クリッティカーの人生の目的はカーマと関連しています。カーマは地球上で感じる幸福感や満足感です。クリッティカーの人は、勇気や困難なことをやり遂げることに情熱があります。クリッティカーは性と関係のあるナクシャトラでもあるため、性的な関係性にも情熱があります。クリッティカーはクンダリーニとヨガとも関連しています。それは彼らの潜在的な力への気づきを意味しています。クリッティカーの人は自分自身を浄化し、前述した「火」による学びによって自分の中心を見つけることができます。目に見えない本当の自分自身を探す旅には、いつもクリッティカーとの関わりがあります。

ナクシャトラと人生の目的

星座:おひつじ座とおうし座

クリッティカー
おひつじ座 おうし座
1パダ 2パダ 3パダ 4パダ
いて座 やぎ座 みずがめ座 うお座

クリッティカーは1パダはおひつじ座、残りはおうし座に対応しています。おひつじ座の位置ではクリッティカーの太陽が自分らしさを発揮できます。暖かく、激しく、協力的です。エネルギーはコントロールされ、パワーを賢く使い、穏やかに愛する能力があります。おひつじ座の支配星である火星と太陽のコンビネーションなので、攻撃性や残虐さの一面もありますが、それがメインになることはありません。ここでは火は輝かしく燃えている状態です。おうし座に移ると少し複雑になります。おひつじ座では活き活きとその強さを自分で成長させていった炎が、おうし座では難しくなります。それはクリッティカーの太陽と、おうし座の支配星である金星の関係性からわかります。金星の外的な官能性を楽しむ性質と、太陽の内なる純粋さや個を好む部分の両極の葛藤が出てきます。エネルギーが過度になりすべてを燃え尽くすことにならないように、炎が燃え広がらないような枠を作ってあげることが大切です。

ナクシャトラとパダ




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