21, ウッタラアシャダ(Uttara Ashadha)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの21つ目、ウッタラアシャダの説明をしていきます。
目次
ウッタラアシャダの意味
真の才能をより高次に高める場所
Uttaraはより高く、Ashadhaは抑えられないという意味のサンスクリット語です。そのため、ウッタラアシャダという名前には抑えることができないという意味があります。人間の本質は、直面しなければならない反発が何かに関わらず出てきます。それは低い波動の性質に対する勝利とより高い波動の表現です。これは一つ前のナクシャトラであるプールヴァアシャダに繋がっていて、新しい才能を開花するという共通の原則を示しています。プールヴァアシャダでは、新しい現実が明らかになり、それがどのように心理的に影響するかが重要でしたが、精神との同化がウッタラアシャダで行われます。ウッタラアシャダの人は、プールヴァアシャダのように創造的で才能がありますが、よりそのエネルギーが精神的なものへと移行したので、彼らの人生の旅はより内向的です。創造性は必ずしも芸術的な表現ではなく、哲学的な表現になっていきます。
ウッタラシャダのパーソナリティー
月のナクシャトラがウッタラシャダの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
ウッタラシャダの人は、強い意志、責任感、積極的な性質を持っています。リーダーシップの資質を持ち、挑戦されたら受けて立つような姿勢があります。強い精神的な能力を持ち、勇気のある決断力ができます。ウッタラシャダの人は、一般的に成功を実現し、寛大です。心が純粋で思いやりがあるので、家族、友人、地域社会から尊敬されます。逆境があったとしても壊れやすくはなく、しっかりと立ち向かっていきます。選択には時間をかけます。いろいろな側面から考慮し、意思決定をしていくのも特徴です。幼い頃に必要以上の責任を引き受ける経験をするかもしれません。そこから、自分が処理できる以上のことを引き受ける傾向が今でも続いている場合があります。助けを求めたり、不要なことをしないことも大切です。
更に専門的にウッタラシャダの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
ウッタラシャダのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Uttara Ashadha, Uttarashadha |
読み方 | ウッタラアシャダ、ウッタラシャダ、ウッタラアシャーダー、ウッタラシェーダー、など |
天文学の星 | いて座ζ(ゼータ)星=アスケラ、σ(シグマ)星=ヌンキ |
星座の対応 | いて座 26°40′ – やぎ座 10°00′ |
支配星 | 太陽 |
神様 | Vishwadeva |
シンボル | ベッドの厚板 |
人生の目的 | モークシャ |
動物 | マングース |
ジェンダー | 男性 |
ドーシャ | カパ |
エレメント | 風 |
グナ | サットヴァーラジャスーサットヴァ |
カースト | Kshatriya(指導者、戦士) |
ガナ | Nara(人間) |
方角 | 南 |
音 | Bay, Bo, Jaa, Jee |
色 | 銅 |
身体 | ウエスト |
パダ|Padas
Pada 1 | いて座 |
Pada 2 | やぎ座 |
Pada 3 | みずがめ座 |
Pada 4 | うお座 |
ウッタラアシャダの特徴詳細
支配星:太陽
太陽は、権威、パワー、バイタリティー、強さを象徴し、リーダーシップを発揮します。その理由は、自分のより高い目標を追求するために、自分のニーズをコントロールすることを学ぶためです。そのため、他人を指揮するスキルを与えます。これは自然な特徴です。太陽は、ウッタラアシャダの人にコミュニティーの中での権威と力を与えます。彼らのダイナミックさと頭の良さはギフトです。野心を強く追求する指導者で、とても冷静です。彼らは人と感情的な距離を取る傾向があります。やぎ座のウッタラアシャダの人はより変化を求めて、それが現実になるにつれてより独りになっていきます。彼らは富や力があってもシンプルな生活を好む傾向があります。
神様:Vishwadeva
ヴィシュワデヴァは宇宙の神とも言われます。インドには3億3千万の神様がいると言われていて、その中でも33の中心となる神様がいます。ヴィシュワデヴァは変化しやすい人間の生活から、スピリチュアルな場所へと導きます。ウッタラアシャダはそのスタート地点です。いて座の他のナクシャトラであるムーラ、プールヴァアシャダは、真実の道に気づき、物質主義から離れようとするところですが、ウッタラアシャダは自ら一歩を踏み出し、次のステップへと敷居をまたいでいるタイミングです。ヴィシュワデヴァは彼らの道をサポートしてくれます。ヴィシュワデヴァは脳の細胞を支配しているとも言われています。そのためウッタラアシャダは、個人の心とその知的発展に集中しています。ヴィシュワデヴァが、社会的な交流を促進し、身体的な調和をもたらしてくれます。そして内側が成長できるようにしてくれています。一人になりたいという内なる欲求を持ちながら、人前で生きる人生を示しています。いて座では外側と内側の関係が安定しやすいですが、やぎ座ではより難しくなりやすいです。
シンボル:ベッドの板
このシンボルのベッドは、快適なベッドというより、質素なベッドです。ウッタラアシャダの人は経済的に成功していても、質素な生活を好む傾向にあります。睡眠は、私たちのマインドを開き、ハイヤーセルフとのコネクションに必要です。そのようにウッタラアシャダは、更なる叡智の為に心がリラックスしてオープンになり、知覚を超えて物事を見るためのコンディションを創り出します。
動物:マングース
マングースは富を象徴するクベーラという神様とつながっています。クベーラはマングースを持って描かれます。マングースはヘビとの勝利を示唆しています。ヘビは宝物の守り神ですが、カルマや死の象徴でもあります。ウッタラアシャダは内側の毒を殺し、より高い自己でへの発展を求めていることが分かります。また、ヘビを殺すことはカルマを断つことを意味し、つまり輪廻から脱却し不死になることを意味しています。更に、ウッタラアシャダは個人のパーソナリティと過去からすべての毒を排除し、浄化されてスピリチュアルな道へと進んでいくことを求めています。ナクシャトラに対応する動物は、通常男性性と女性性のペアになっていますが、マングースだけは男性性しかありません。そのことから、ウッタラアシャダの人は一人でいることを好む場合があります。
人生の目的:モークシャ
ウッタラアシャダは、モークシャに向かって、心理的な調整を行います。エゴを手放し、宇宙の意識と一体化し、至福の状態になっていきます。物質的な世界への執着が深いほど、ウッタラアシャダの人はこの世界で生きるコツを失います。ウッタラアシャダの人にとってのスピリチュアルな成長の道は、この世界での野望に向かった実践的な働きと関連しています。彼らはまず自分の野心を満たすために働かなければなりません。そしてそれが、その立場を超えたものになっていきます。初めは彼らを利己的にするかもしれませんが、順に心が変化し、利己的な心と奉仕の心が融合し、自分の望みを周りのために使っていくことを学んでいきます。
星座:いて座とやぎ座
ウッタラアシャダ | |||
いて座 | やぎ座 | ||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
いて座 | やぎ座 | みずがめ座 | うお座 |
ウッタラアシャダのいて座とやぎ座では異なる体験をします。いて座では、まだスピリチュアルな戦士であり、先生であり、知識を表現する必要があります。火のエネルギーを反映し、暖かく、すべてを受け入れる甘い場所です。ここでの惑星はすべてうまく機能します。ウッタラアシャダのやぎ座では欲望を制御することによって、その性質を表現することを学びます。いて座に比べてより禁欲的になります。それはウッタラアシャダの支配星である太陽と、やぎ座の支配星である土星の関係が理由です。やぎ座のウッタラアシャダの人はパワー、権力、成功と複雑な関係性を持っています。彼らは距離があってクールな指導者になります。愛をもって働く人を促すというより、責任感とどんな大変なタスクもこなす能力によって畏敬の念を起こさせるような指導者になります。
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