Nakshatra

ナクシャトラ(Nakshatra)の基本|インド占星術・ジョーティッシュ・Jyotish

ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27分割したものです。ちなみに星座は太陽の通り道である黄道を12分割したものです。ナクシャトラは月の視点から見た星座のようなものです。インド占星術では星座だけでなくナクシャトラからも色々な情報を読み取っていきます。この考え方は中国や日本にも伝わっていて、日本では旧暦の二十七宿(二十八宿)として使われてきました。ナクシャトラを深めていくと、膨大な情報が隠されていることが分かります。

ナクシャトラ一覧 




ナクシャトラとは?

ナクシャトラと心

ナクシャトラは心や感情に対応している月を中心に見た天体の考え方です。そのため、ナクシャトラを通じて個人のホロスコープを見ると、その人の内面がとても深く分かります。ある事柄に対してどのような対応をするのか、どんな感情になりやすいかなど、あらゆることが分かります。もちろん、太陽をはじめ他の惑星もとても大事ですが、物事に対してどのような態度であるかを主る月の特徴はとても重要です。同じ事象が起こったとしても、ある人はそれをラッキーととらえるかもしれませんが、ある人はそれを怖いと感じるかもしれません。自分の心の反応が、自分自身とそこからの未来を創り出すことにとても大きな影響を与えていることが分かります。ナクシャトラはとても大切な考え方の一つです。

ナクシャトラと星座の違い

抽象的な視点になってしまいますが、根本的なナクシャトラと星座の違いがあります。太陽の通り道のである黄道とそれを12分割した星座からは、ひとつの意識を思い出すために、個人がどのような道を選んでいるのかが分かります。一方で、月の通り道である白道と、それを27分割したナクシャトラからは、一つの意識を個人レベルでどのように反映しているのか(=感じているのか)が分かります。一番基本的な出生図で個人を見る時は、その惑星がどの星座とハウスにいるかを見て、その人の人生がどのような傾向なのかを見ることができます。ナクシャトラから惑星の配置を読み取ることで、出来事に対してその人がどんな対応をする傾向があるか、どんな感情の傾向があるかを読み取ることができます。同じ現象が起きたとしても、人によってとらえ方が違います。そしてその捉え方がその人の人生の幸福度を変え、次の未来を作る選択を変えていきます。そのため、心を反映するナクシャトラからの視点はとても大切です。

ナクシャトラは27個?28個?

ナクシャトラの数は、Abhijit(アビジット)というナクシャトラを数えるか数えないかで27個と言ったり28個と言ったりします。基本的には27個として考えます。アビジットは、度数的には、ウッタラシャダからシュラヴァナに重なっています。そのため、一つの独立したナクシャトラとしては基本的にカウントされないことが多いです。白道の一周は27分割されていることになります。旧暦の考え方でも二十七宿と二十八宿両方あります。二十七宿の方が古く、よりナクシャトラの考え方と近いのではないかと思います。




ナクシャトラを深く理解するための秘密

ナクシャトラを深めていこうとすると、色々なテーマとつながっていることが分かります。様々な角度からの理解が、ナクシャトラを深めていきます。

ナクシャトラとパダ

ナクシャトラが移り変わるときの基本は月の動きです。月は月の軌道を一周するのに約27日かかりますので、月は1日1ナクシャトラを移動するという考え方になります。そして、各ナクシャトラは4つに分割されているので、合計108分割された白道を月が移動しています。この4分割されたものをパダと呼びます。各パダは、1パダ、2パダ、3パダ、4パダと呼ばれます。

ナクシャトラとパダ

ナクシャトラと星座

ナクシャトラは月の通り道である白道を27分割したもの、星座は太陽の通り道である黄道を12分割したものです。ナクシャトラと星座はお互いに対応しています。ナクシャトラ一覧のページに星座との対応が書いてあります。ただし、星座は全てインド占星術をべースとしたサイドリアル方式と呼ばれる星座の位置になっているので、一般的に普及している西洋占星術のトロピカル方式とは異なりますのでご注意ください。ナクシャトラをはじめ、インド占星術に関連した星座は全てサイドリアル方式が基準です。

ナクシャトラ一覧

ナクシャトラと惑星

ナクシャトラはインド占星術で主に見る9つの惑星に対応しています。9つの惑星が3つずつのナクシャトラの支配星となっていて、全部で27つのナクシャトラに対応しています。

ナクシャトラと惑星

ナクシャトラと天文学の星

ナクシャトラに対応する天文学的な恒星があります。恒星との対応を見ると、私たちの心と宇宙とのつながりをより感じられることができます。

ナクシャトラと星

ナクシャトラと神様・シンボル

27つのナクシャトラの意味を深めるために、各ナクシャトラには対応する神様やシンボルがあります。

ナクシャトラと神様・シンボル

ナクシャトラと動物・相性

27つのナクシャトラには、対応する動物とそのジェンダーがあります。例えば雄の馬、雌の馬、雄の猿、雌の猿、、といった具合です。これらは相性を見るためによく使われます。相性だけでなく、ナクシャトラを理解するうえでとても大切な要素です。

ナクシャトラと動物

ナクシャトラとドーシャ

ナクシャトラはアーユルヴェーダの体質診断でもおなじみの、ドーシャとも関連しています。

ナクシャトラとドーシャ

ナクシャトラと人生の方向性・目的

ナクシャトラは人生の方向性を表すエネルギーが、どこへ向かっているのか、その特徴があります。

ナクシャトラと人生の目的

ナクシャトラとガナ

ガナは神様・人・悪魔の3種類に分ける方法です。各ナクシャトラがその人の性格に影響するエネルギーが分かります。

ナクシャトラとガナ

ナクシャトラとワルナ

ワルナはカーストとも訳されます。カースト制度はイギリスがインドへ渡る前は、今とは違う思想が基本となっていて、調和と共に成り立っていました。古くからあるカーストの分類とナクシャトラが対応しています。

ナクシャトラとワルナ

ナクシャトラと方角

各ナクシャトラは方角とも関係しています。これは主に特別なタイミングでどの方角が吉か、などを見る時に使います。

ナクシャトラと方角

ナクシャトラとエレメント

ナクシャトラは5つのエレメントにも対応しています。エレメントの特徴がナクシャトラに影響しています。

ナクシャトラとエレメント

ナクシャトラとヨガ

ナクシャトラには様々なヨガ(組み合わせ)が存在します。特別なヨガに当てはまる場合は、特別な意味が出てきます。

ナクシャトラとヨガ

ナクシャトラとグナ

ナクシャトラはラジャス、タマス、サットヴァという3つのグナ(性質)とも関連しています。各ナクシャトラに対応するグナと、そこから更に3つレイヤーがあり、各ナクシャトラの性質の理解を深めます。

ナクシャトラとグナ

ナクシャトラと音

ナクシャトラには対応する音があります。生まれた日から、対応する音を参考に名前を付ける文化があります。自分の名前の音は人生に大きな影響を与えるとされているので、自分の名前がどのナクシャトラに対応するかを見ていくと、名前からどんな出来事が起こっているかも読み取ることができます。

ナクシャトラと音

ナクシャトラとナーディ

ナーディとは、身体の中を走るエネルギーの通り道です。ナクシャトラと対応するナーディは、主に心とのつながりを理解するために使います。ナーディを理解すると、更にナクシャトラの理解が深まっていきます。

ナクシャトラとナーディ




次はこれを要チェック

ナクシャトラの移り変わりが分かる

ナクシャトラのカレンダー

ナクシャトラの基本

アーユルヴェーダの基本 インド・ヨーガ哲学