1, アシュヴィニー(Ashwini)の意味|ナクシャトラの解説|インド占星術・ジョーティッシュ・ヴェーダ
ナクシャトラとは、地球から見た月の通り道である白道をを27に分けたものです。ナクシャトラ自体の説明は下記のナクシャトラのページをご覧ください。ここではナクシャトラの1つ目、アシュヴィニーの説明をしていきます。
目次
アシュヴィニーの意味
未知の世界で運命を切り開く場所
Ashwinは騎士、もしくは馬の調教師を意味します。シンボルもまた馬の頭です。馬は私たちのセンスや望み、クリエイティブなエネルギーを象徴しています。騎士には馬に乗る能力があるように、アシュヴィニーの人は私たちの望みを自由に操る能力とつながっています。Ashwinには、夜明けの前兆という意味もあります。夜明けは、暗くミステリアスな夜とつながっていながら、新しい明日が確実に訪れることも伝えてくれる、特別なエネルギーがあります。夜の暗闇と昼間の明るさをつなげ、期待と不確実性に満ちた新しい朝の神秘さがアシュヴィニーのエネルギーです。そして新しい一日の始まりは、暗闇の終わりでもあります。アシュヴィニーは新しい光と気づきを、肉体を持った魂に与えます。この始まりと終わりは、ヴェーダの中で信じられている生まれ変わりとカルマを象徴しています。
アシュヴィニーのパーソナリティー
月のナクシャトラがアシュヴィニーの人のパーソナリティーを説明していきます。インド占星術では全ての惑星がどのナクシャトラに位置するかを見ますが、その中でも特に月のナクシャトラは重要視されていて、パーソナリティーにも影響を与えます。自分の月のナクシャトラをチェックしたい場合はこちら
アシュヴィニーの人は、とてもエネルギッシュで、いつも熱意と自信に満ちています。普通のことは満足を与えず、いつも大きなことをしようと行動します。スピード、エネルギー、活発さがあり、すべてを素早く終わらせます。アイディアが浮かんだらすぐに現実にさせます。頭がよく、物事をすぐに理解し、そしてすぐに賢明な判断ができます。内面はとても神秘的で、科学的に証明できない世界に興味を持っています。恐れ無しに行動できますが、怒りっぽいところもあります。外からの力や圧力によってアシュヴィニーの人が変わることはありません。アシュヴィニーの人は深い分析の上で決断を下すので、他の人の影響でそれを変えることはできないのです。愛だけがアシュヴィニーの人を変えることができます。愛する人のためには何でもできる愛情深さがあります。愛する人を大切にし、友人や家族と良い関係を保てる人が多いです。知性が優勢のため、感情を読み取ることが苦手な人も多いです。アシュヴィニーの人は、批判や拒絶への恐れがあります。穏やかな態度はそれらの防衛本能でもあり、他人の考えを尊重し、落ち着いて静かにすれば、意見や批判が少なくなることを知っています。
更に専門的にアシュヴィニーの特徴を知りたい人は下へ進んでください。
アシュヴィニーのデータ
※インド占星術の星座はサイデリアル方式のため、一般的な西洋占星術の星座とは位置にズレがありますのでご注意ください。
名前 | Ashwini |
読み方 | アシュヴィニー |
天文学の星 | おひつじ座β星=シェラタン、おひつじ座α星=ハマル |
星座の対応 | おひつじ座0° – 13°20′ |
支配星 | ケトゥー |
神様 | The Ashwini Kumara, The Ashvins |
シンボル | 馬の頭 |
人生の目的 | ダルマ |
動物 | 馬 |
ジェンダー | 男性 |
ドーシャ | ヴァータ |
エレメント | 地 |
グナ | ラジャスーラジャスーラジャス |
カースト | ヴァイシャ |
ガナ | Deva(神様) |
方角 | 南 |
音 | Choo, Che, Cho La |
色 | ブラッドレッド |
身体 | 足の甲、膝、頭 |
鉱物 | キャッツアイ |
ラッキーナンバー | 7,9 |
パダ|Padas
Pada 1 | おひつじ座 |
Pada 2 | おうし座 |
Pada 3 | ふたご座 |
Pada 4 | かに座 |
アシュヴィニーの特徴詳細
支配星:ケトゥー
ケトゥーはとても神秘的な惑星です。過去世との繋がりがあります。また、モクシャ(=解脱)とも関連しているので、永遠の意識との融合と、個人の手放しのエネルギーが関わります。ナクシャトラの一番初めのアシュヴィニーの支配星がケトゥーであることは、私たちの真の目的はこのモークシャであることをまず始めに教えてくれています。この1つ目のナクシャトラの段階ではまだ心は純粋で、この人生における執着や欲望を知らない段階です。しかし、過去世からのまだ解決していない問題と関わりがあります。ケトゥーは、完全に完璧な状態を求めます。その状態はつまり、永遠の幸福であり、痛みや不幸のサイクルから解放された完璧な魂の状態(=モークシャ)です。この状態を思い出している人は良いのですが、そうでない場合、アシュヴィニーの人が求めるケトゥーの完璧さとこの現実がマッチしないと感じ、その不一致に満足できないということが起こります。モークシャについては、サイト内のインド哲学のページで詳しく説明しています。
神様: Ashwini Kumara
アシュウィニクマラという神様は、太陽神の双子の息子で、医師でもあります。アーユルヴェーダの起源でも出てくる神様の一人です。個々の名前は、NasatyaとDasraと言います。この双子の神は、天国と地球、昼と夜、過去と未来など、地球の二元性を象徴しています。彼らは病気を治し、若返らせる特別な力があります。彼らは星の中のヒーラーです。そのためナクシャトラがアシュヴィニーの人たちは、医師、ヒーラーなどの職業と関連がある場合が多いです。外見からはわからないかもしれませんが、純真無垢で理想主義の面があります。
シンボル:馬の頭
馬は私たちのコントロールできない欲望とリンクしていて、それらをコントロールする能力が永遠の幸福=モークシャへのカギです。太陽神は7頭の馬と一緒に描かれることがありますが、それは欲望をコントロールしていることを意味しています。その太陽はアシュヴィニーの位置で生き生きと働きます。馬は7という数字ととても繋がりが強いです。7はとても神秘的な数字と考えられていて、7つのチャクラ、7つの叡智、7つのレベルの意識、など、7にまつわる様々な神秘があります。
動物:馬
アシュヴィニーの段階では、低い次元の状態の自分をコントロールするために、魂は欲望を犠牲にしようと考えます。前述したように、太陽はこの場所でとても良い状態になりますが、それは自分の運命に責任をもっているからです。この場所での惑星たちは、太陽と一緒に輝いたり、太陽とのつながりを探すことができます。アシュヴィニーの人は欲望や運命の支配者になりたいと考えます。極端に理想主義で、まだ人生のチャレンジに直面したことがありません。そのため、障害なしにすべてやり遂げることができると考えています。
人生の目的:ダルマ
アシュヴィニーの人の人生の目的はダルマのエネルギーです。宗教や法律、義務や習慣などを倫理的にとらえます。アシュヴィニーの人は道徳的な人生を送ることをいつも気にかけています。彼らは運命を強く信じ、家族や国、宗教などの倫理を守っていきます。そして独善的な傾向もあります。必ずしも外に出さないかもしれませんが、とてもスピリチュアルな内面を持ちます。
星座:おひつじ座
アシュヴィニー | |||
おひつじ座 | |||
1パダ | 2パダ | 3パダ | 4パダ |
おひつじ座 | おうし座 | ふたご座 | かに座 |
アシュヴィニーは、すべてのパダがおひつじ座に位置しています。戦士としてのおひつじ座のエネルギーに影響され、アシュヴィニーの人は他人を守るために、自分の人生を犠牲にできるほどの勇気を持っています。そして、とらえどころのない、自分自身という真実を探すために、自分の感覚と望みに関する学びをする必要があります。一方で、禁欲的なものから感覚的なものへ、スピリチュアルからマテリアルへなど、極端な方向から正反対へと揺れ動くかもしれません。アシュヴィニーの人の魂は過去世の人生のルーツと強くつながっています。おひつじ座は、まだ誰もやっていないことを開拓してくエネルギーがあります。おひつじ座の支配星は火星ですが、ケトゥーも火星と似た部分があります。ダイナミックなエネルギーとスピリチュアルなエネルギーが合わさり、アシュヴィニーのナクシャトラではすべての惑星へそのエネルギーがもたらされます。そして火星の行動力、勇気、保護といったエネルギーが強力に作用します。
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