藿香(かっこう)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
藿香(かっこう)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
藿香のデータ
名前 | 藿香(かっこう)、広藿香(こうかっこう)など |
英語 | Patchouli, Pogostemon Herb |
ラテン名 | Pogostemi Herba |
科名 | シソ科:Labiatae |
学名 | Pogostemon cablin Bentham |
使用部位 | 地上部 |
成分 | 精油(パチュリアルコール)など |
四気 | 微温性 |
五味 | 辛 |
帰経(臓腑弁証) | 肺、脾、胃 |
効能分類 | 去湿健胃薬 |
その他の藿香に関する記事をチェック: #パチュリ
藿香の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
藿香は、精油ではパチュリとして有名です。生薬としては、中国産の広藿香(こうかっこう)と呼ばれるものが使われます。日本に自生するカワミドリと呼ばれる似た生薬がありますが、それは土藿香(どこうかっこう)と呼ばれ区別されます。
東洋医学の効能
胃腸の[湿邪]を除く作用に優れています。胃腸の機能を回復させ、下痢、腹部膨満感、嘔吐などを治します。また、夏場の高温多湿の環境によって起こる様々な不調にも用いられます。エアコンの冷気や冷たいものの摂りすぎによる胃腸障害、暑気あたり、悪寒発熱などの夏かぜなどに使われます。
適応症
高温多湿時のかぜ、[寒邪]による発熱、頭痛、嘔吐、下痢、マラリア、口臭、かぜが胃腸系に入り嘔吐するなど
藿香の使い方
ブレンド例
胃腸の[湿]を除いて、胃腸症状を伴うかぜを治します。
藿香+厚朴 |
[脾胃]の虚弱による嘔吐や下痢を治します。
藿香+白朮 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
藿香正気散 | 解表剤 |
香砂平胃散 | 祛湿剤 |
香砂六君子湯 | 補気剤 |
銭氏白朮散 | 祛湿剤 |
不換金正気散 | 祛湿剤 |
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