茯苓(ぶくりょう)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
茯苓(ぶくりょう)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
茯苓のデータ
名前 | 茯苓(ぶくりょう)、伏苓(ぶくりょう)、赤苓(せきぶくりょう)など |
英語 | Poria Sclerotium |
ラテン名 | Poria |
学名 | Wolfiporia cocos Ryvarden et Gilbertson |
使用部位 | 菌核(通例外層をほとんど除いたもの) |
成分 | トリテルペン(エブリコ酸)、ステロール、多糖類(β-パヒマン)など |
四気 | 平性 |
五味 | 甘、淡 |
帰経(臓腑弁証) | 心、脾、肺 |
気血水弁証 | 気虚、水滞 |
効能分類 | 利水薬 |
その他の茯苓に関する記事をチェック: #サルノコシカケ
茯苓の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
マツホドというキノコの菌核を使用しています。利水の代表生薬です。同じサルノコシカケ科の生薬に猪苓があります。
東洋医学の効能
利水作用
[脾胃]の機能を高めることで、めまい、むくみなどの[水滞]の症状を改善します。
健胃作用
[胃]に溜まった余分な水分を除き、胃腸機能を整えることで、食欲不振、消化不良、吐き気などの消化器の不調を改善します。
精神安定作用
[水滞]や[瘀血]によって[気]が上がり生じる不安、驚き、不眠、動悸などの精神症状を、[気]を降ろすことによって安定させます。
適応症
尿が出にくい、[水腫]による張りやむくみ、胃内停水によるせき、嘔吐、水様性下痢、遺精、尿混濁、精神不安によるけいれん発作、健忘症など
茯苓の使い方
ブレンド例
精神虚弱による動悸、多夢を治します。
茯苓+遠志 |
胸中の[痰飲]を除いて、咳を治します。
茯苓+杏仁 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
苓桂朮甘湯 | 祛湿剤 |
半夏厚朴湯 | 理気剤 |
半夏白朮天麻湯 | 化痰剤 |
四君子湯 | 補気剤 |
五苓散 | 祛湿剤 |
次はこれを要チェック