各生薬の効能

茯苓(ぶくりょう)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

茯苓(ぶくりょう)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 茯苓のデータ
  2. 茯苓の特徴
  3. 茯苓の使い方



茯苓のデータ

名前 茯苓(ぶくりょう)、伏苓(ぶくりょう)、赤苓(せきぶくりょう)など
英語 Poria Sclerotium
ラテン名 Poria
学名 Wolfiporia cocos Ryvarden et Gilbertson
使用部位 菌核(通例外層をほとんど除いたもの)
成分 トリテルペン(エブリコ酸)、ステロール、多糖類(β-パヒマン)など
四気 平性
五味 甘、淡
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 気虚水滞
効能分類 利水薬

その他の茯苓に関する記事をチェック: #サルノコシカケ

茯苓の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

マツホドというキノコの菌核を使用しています。利水の代表生薬です。同じサルノコシカケ科の生薬に猪苓があります。

東洋医学の効能

利水作用

[脾胃]の機能を高めることで、めまい、むくみなどの[水滞]の症状を改善します。

健胃作用

[胃]に溜まった余分な水分を除き、胃腸機能を整えることで、食欲不振、消化不良、吐き気などの消化器の不調を改善します。

精神安定作用

[水滞]や[瘀血]によって[気]が上がり生じる不安、驚き、不眠、動悸などの精神症状を、[気]を降ろすことによって安定させます。

適応症

尿が出にくい、[水腫]による張りやむくみ、胃内停水によるせき、嘔吐、水様性下痢、遺精、尿混濁、精神不安によるけいれん発作、健忘症など

茯苓の使い方

ブレンド例

精神虚弱による動悸、多夢を治します。

茯苓+遠志

胸中の[痰飲]を除いて、咳を治します。

茯苓+杏仁

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

苓桂朮甘湯 祛湿剤
半夏厚朴湯 理気剤
半夏白朮天麻湯 化痰剤
四君子湯 補気剤
五苓散 祛湿剤




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