各生薬の効能

白朮(びゃくじゅつ)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

白朮(びゃくじゅつ)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 白朮のデータ
  2. 白朮の特徴
  3. 白朮の使い方



白朮のデータ

名前 白朮(びゃくじゅつ)、和白朮(わびゃくじゅつ)、朮(じゅつ)など
英語 Atractylodes Rhizome
ラテン名 Atractylodis Rhizoma
学名
  • Atractylodes japonica Koidzumi ex Kitamura
  • Atractylodes macrocephala Koidzumi
使用部位 根茎
成分 精油(オイデスマ-4(14)、7(11)-ジエン-8-オン、アトラクチロン、アトラクチレノリド)など
四気 温性
五味 苦、甘
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 気虚水滞
効能分類 利水薬、去湿健胃薬

その他の白朮に関する記事をチェック: #オケラ

白朮の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

オケラか、オオバナオケラの根茎を使用しています。日本ではオケラの根茎、中国ではオオバナオケラの根茎を使用してきたため、前者を和白朮、後者を唐白朮(とうびゃくじゅつ)と呼ぶこともあります。近縁種が基原の蒼朮という生薬もあります。蒼朮と白朮は歴史的文献の中での明確な区別は不明点も多いです。現在は純度試験によって区別されています。[湿]を除くというメインの効能は似ていますが、蒼朮の方がより除湿作用に優れ、白朮はより消化器の機能を高めることに優れています。

東洋医学の効能

[湿]を除き、弱った[脾胃]を補います。そのため、倦怠感、食欲不振、胃もたれなどを改善します。また、むくみ、めまい、ふらつき、関節痛などにも効果的です。

適応症

消化器系の弱い虚弱体質、食欲不振、疲労倦怠感、腹部膨満感、下痢、胃内停水、むくみ、黄疸、関節炎、関節腫痛、神経痛、脚気、めまい、寝汗、妊婦のむくみ、排尿困難など

白朮の使い方

ブレンド例

[脾胃]の虚弱による嘔吐と下痢を治します。

白朮+藿香

体表の[湿]を除いて、むくみと関節痛を治します。

白朮+麻黄

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

胃風湯 気血双補剤
帰脾湯 気血双補剤
滋陰至宝湯 補陰剤
人参養栄湯 気血双補剤
二朮湯 祛湿剤




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