芍薬(しゃくやく)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
芍薬(しゃくやく)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
芍薬のデータ
名前 | 芍薬(しゃくやく) |
英語 | Peony Root |
ラテン名 | Paeoniae Radix |
学名 | Paeonia lactiflora Pallas |
使用部位 | 根 |
成分 | 変形モノテルペン配糖体(ペオニフロリン)、安息香酸、ガロタンニンなど |
四気 | 涼性 |
五味 | 苦、酸 |
帰経(臓腑弁証) | 肝、脾 |
気血水弁証 | 血虚、瘀血 |
効能分類 | 補血薬 |
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芍薬の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
日本では栽培種の根の皮を取り、乾燥させたものを芍薬としています。中国では白芍薬と赤芍薬と区別して使用されています。白芍薬は栽培種の根の皮を取って湯通ししたもの、赤芍薬は野生種の根を皮付きのまま乾燥させたものです。日本の芍薬は、中国の白芍薬と赤芍薬とはまた違うものになります。
東洋医学の効能
[補血]・緊張緩和
芍薬の[血]を補う作用は、[血]の絶対量を増やすというより、足りていない部分に[血]を集める働きが強いです。緊張している部分に[血]を集め、筋肉の緊張緩和をし、痛みを除きます。そのため、手足の筋肉痛、けいれんを治します。腸管や尿道の壁も筋肉でできているため、腹痛や尿路結石の痛みにも有効です。筋肉の緊張緩和作用は甘草と組み合わせることによって発揮されます。
[理血]
[瘀血]を取り除くため、婦人科系の働きを整えます。月経不順、おりもの、月経痛を治します。
止汗作用
体表の[衛気]を補い、寝汗を治します。
適応症
胸腹脇肋の痛み、下痢による腹痛、[自汗]、寝汗、[陰虚]による発熱、月経不順、不正子宮出血、おりものなど
芍薬の使い方
ブレンド例
腹部・筋肉・関節の緊張を緩和して、鎮痛します。
芍薬+延胡索 |
[瘀血]による腹痛を治します。
芍薬+牛膝 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
当帰芍薬散 | 和解剤 |
葛根湯 | 解表剤 |
加味逍遙散 | 和解剤 |
桂枝茯苓丸 | 理血剤 |
芍薬甘草湯 | 和解剤 |
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