薏苡仁(よくいにん)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
薏苡仁(よくいにん)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
薏苡仁のデータ
名前 | 薏苡仁(よくいにん)、ハトムギ、八斗麦(はとむぎ)、玉珠(ぎょくしゅ)など |
英語 | Coix Seed |
ラテン名 | Coicis Semen |
学名 | Coix lacryma-jobi Linné. var. mayuen Stapf |
使用部位 | 種皮を除いた種子 |
成分 | デンプン、タンパク質、脂肪油、多糖類、ステロール、コイクセノリドなど |
四気 | 涼性 |
五味 | 甘、淡 |
帰経(臓腑弁証) | 脾、肺、腎 |
気血水弁証 | 水滞 |
効能分類 | 利水薬 |
その他の薏苡仁に関する記事をチェック: #ハトムギ
薏苡仁の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
ハト麦の種子を使用します。イボを取る民間薬として有名です。
東洋医学の効能
美肌に
[湿]を取り除く作用と、排膿作用があります。そのため皮膚化膿症やニキビに使われます。[瘀血]を解毒し、血液を活性化し、肌を潤すことによって、イボ(特に水イボ)を取る働き、シミを薄くする働きがあります。
抗腫瘍・抗炎症
皮膚以外にも、肺や胃腸系のポリープや腫瘍を治す働きがあります。虫垂炎などの消化器の化膿性炎症の排膿にも使われます。
利水作用
利水作用があるため、手足のむくみをとり倦怠感を治します。関節の水腫を除いて関節痛を治します。
適応症
神経痛、リウマチ、手足の筋肉のけいれん、水腫、脚気、おりもの、水溶性下痢、ニキビ、イボなど
注意事項
便秘、頻尿、妊婦の服用は注意
薏苡仁の使い方
常用量
粒:5~30g、粉:3~10g
ブレンド例
[脾胃]の[気]を補い、利尿を促進し、下痢を止め、むくみを除きます。
薏苡仁+人参 |
[瘀血]を除き、肌を滑らかにします。(牡丹皮は桃仁でも良いです。)
薏苡仁+牡丹皮 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
桂枝茯苓丸加薏苡仁 | 理血剤 |
参苓白朮散 | 補気剤 |
麻杏薏甘湯 | 祛湿剤 |
薏苡仁湯 | 祛湿剤 |
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