各生薬の効能

山査子(さんざし)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

山査子(さんざし)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 山査子のデータ
  2. 山査子の特徴
  3. 山査子の使い方



山査子のデータ

名前 山査子(さんざし)、山査(さんさ)など
英語 Hawthorn Fruit
ラテン名 Crataegi Fructus
学名
  • Crataegus cuneata Siebold et Zuccarini
  • Crataegus pinnatifida Bunge var. major N. E. Brown
使用部位 偽果をそのまま、または縦切もしくは横切したもの
成分 フラボノイド、タンニン、有機酸(クラテゴール酸)など
四気 微温性
五味 酸、甘
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 瘀血
効能分類 止瀉健胃薬

その他の山査子に関する記事をチェック: #サンザシ

山査子の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

山査子は、肉・脂肪・乳製品など、脂質の多い飲食物の消化を促進する代表生薬です。豆やたんぱく質の消化の代表は神麹、炭水化物の消化の代表は麦芽です。

東洋医学の効能

消化促進

胃腸の機能が低下したときや、食べ過ぎで胃に食べ物が停滞してしまった時に使用します。消化不良による胃もたれ、膨満感、下痢などがあげられます。特に、肉・脂肪・乳製品など、脂質の多い飲食物の消化を助けます。山査子は[補気]作用は無いため、消化機能を高めるというよりかは、食物に働きかけて消化をしやすくします。

[瘀血]を治す

[瘀血]を治し痛みを取り除きます。打ち身、産後の[瘀血]による腹痛、月経痛などに使用されます。

適応症

消化不良、[痰飲]、みぞおちの膨満感、胃酸過多、下痢、腰痛、腹部の激しい痛み、産後の[瘀血]による腹痛など

注意事項

胃酸過多の場合、妊娠中は控える

山査子の使い方

常用量

刻み:3~5g、粉末:0.5~1g

ブレンド例

消化不良、飲食物の停滞による腹部膨満感、げっぷ、食欲不振を治します。

山査子+麦芽

[胃気]を補って、食欲増進をします。

山査子+人参

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

化食養脾湯 消導剤
啓脾湯 消導剤




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