枳実(きじつ)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
枳実(きじつ)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
枳実のデータ
名前 | 枳実(きじつ) |
英語 | Immature Orange |
ラテン名 | Aurantii Fructus Immaturus |
学名 |
|
使用部位 | 未熟果実をそのまま、またはそれを半分に横切りしたもの |
成分 | 精油、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン)、クマリン、シネフリンなど |
四気 | 寒性 |
五味 | 苦 |
帰経(臓腑弁証) | 脾、胃 |
気血水弁証 | 水滞、気滞 |
効能分類 | 理気薬、排膿薬 |
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枳実の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
枳実はダイダイやナツミカンの未熟果実を使用しています。枳実を採集した1~2か月後の、成熟間近の未熟果実を使用したものを枳殻(きこく)と言います。未熟果実はまだ成長途中のため、苦味が強いです。その刺激によって[気]が強力に巡ると考えられています。そのため、より未熟な枳実の方が[理気]作用が高くなります。
東洋医学の効能
消化を促進
強力な[理気]作用によって、胸腹部の痰、未消化物を取り除き、腹部膨満感や慢性消化不良を治します。胃腸機能の回復をはかり、消化促進をします。
鎮咳・去痰
[胃]と[肺]の機能低下によるせきに用いて、せきを抑え、痰を取り除きます。
胸腹部緊張緩和
肝臓や胆のうの疾患、胃腸の疾患による胸腹部の緊張を緩和して、膨満感を除きます。
適応症
胸腹部の張りと膨満感、狭心症、せき、痰、[食積]、便秘、胃下垂、子宮下垂、脱肛など
枳実の使い方
ブレンド例
[気逆][気滞][湿邪]による腹部膨満感、腹痛、嘔吐を治します。
枳実+厚朴 |
胸腹部の[気]を巡らし、[悪心]、嘔吐、痛みを止めます。
枳実+縮砂 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
温胆湯 | 化痰剤 |
加味温胆湯 | 化痰剤 |
芎帰調血飲第一加減 | 理血剤 |
四逆散 | 理気剤 |
潤腸湯 | 瀉下剤 |
小承気湯 | 瀉下剤 |
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