各生薬の効能

乾姜(かんきょう)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬

乾姜(かんきょう)の効果効能

東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。

目次

  1. 乾姜のデータ
  2. 乾姜の特徴
  3. 乾姜の使い方



乾姜のデータ

名前 乾姜(かんきょう)、乾薑(かんきょう)、干姜(かんきょう)、黒姜(こくきょう)など
英語 Processed Ginger
ラテン名 Zingiberis Rhizoma Processum
学名 Zingiber officinale Roscoe
使用部位 根茎を湯通し、または蒸したもの
成分 ショウガオール、ジンゲロンなど
四気 熱性
五味
帰経(臓腑弁証
気血水弁証 水滞
効能分類 温裏薬

その他の生姜の記事をチェック: #ジンジャー

乾姜の特徴

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

特徴

色々な定義の仕方がありますが、日本ではショウガを乾燥させたものを生姜、加熱したものを乾姜として使われています。加熱すると、生姜に含まれるジンゲロールが、ショウガオールとジンゲロンへ変化します。そして辛味が強くなり、乾姜の方がより温める作用が強くなります。

東洋医学の効能

温め陽気を巡らす

[脾胃]を温めて[陽気]を巡らせ、体内に溜まった冷えた不要な水分を取り除きます。下半身の冷えによく効き、それに伴う腹痛・腰痛・頻尿を改善します。むかつき、嘔吐、腹部膨満感、下痢、といった、冷えによって生じる[脾]の[陽虚]の症状も緩和します。

[肺気]を巡らす

温め陽気を巡らす働きは[肺]にも作用します。水っぽい透明な痰や鼻水、慢性鼻炎や花粉症などの、冷えからくる[肺]の[陽虚]を改善します。

温め止血する

温めることで止血する作用があります。冷えを伴う月経過多、不正出血、血便などに用いられます。

適応症

心臓から腹部にかけての冷えと痛み、嘔吐、下痢、手足の冷えと弱い脈、[水滞]と冷えによる咳・鼻水、冷えによる出血など

注意事項

[熱証]の人は禁忌。その他[熱]による症状がある場合は注意。

乾姜の使い方

ブレンド例

[脾胃]の冷えを治します。

生姜+膠飴

胃腸を温めて機能の促進をします。

生姜+山椒

『漢方294処方生薬解説』より

処方例

配合されている漢方薬の一例です。

小青竜湯 解表剤
大建中湯 温裏剤
人参湯 温裏剤
半夏瀉心湯 和解剤
苓甘姜味辛夏仁湯 祛湿剤




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