乾姜(かんきょう)の効果効能|東洋医学の生薬・ハーブ・薬草・食薬
乾姜(かんきょう)の効果効能
東洋医学で使われる生薬の紹介をしています。副作用や組み合わせによる注意点などがある場合があります。すべての情報を網羅しているわけではありませんので、使用の際は必ず専門知識のある人に相談してください。
目次
乾姜のデータ
名前 | 乾姜(かんきょう)、乾薑(かんきょう)、干姜(かんきょう)、黒姜(こくきょう)など |
英語 | Processed Ginger |
ラテン名 | Zingiberis Rhizoma Processum |
学名 | Zingiber officinale Roscoe |
使用部位 | 根茎を湯通し、または蒸したもの |
成分 | ショウガオール、ジンゲロンなど |
四気 | 熱性 |
五味 | 辛 |
帰経(臓腑弁証) | 脾、胃、肺 |
気血水弁証 | 水滞 |
効能分類 | 温裏薬 |
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乾姜の特徴
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
特徴
色々な定義の仕方がありますが、日本ではショウガを乾燥させたものを生姜、加熱したものを乾姜として使われています。加熱すると、生姜に含まれるジンゲロールが、ショウガオールとジンゲロンへ変化します。そして辛味が強くなり、乾姜の方がより温める作用が強くなります。
東洋医学の効能
温め陽気を巡らす
[脾胃]を温めて[陽気]を巡らせ、体内に溜まった冷えた不要な水分を取り除きます。下半身の冷えによく効き、それに伴う腹痛・腰痛・頻尿を改善します。むかつき、嘔吐、腹部膨満感、下痢、といった、冷えによって生じる[脾]の[陽虚]の症状も緩和します。
[肺気]を巡らす
温め陽気を巡らす働きは[肺]にも作用します。水っぽい透明な痰や鼻水、慢性鼻炎や花粉症などの、冷えからくる[肺]の[陽虚]を改善します。
温め止血する
温めることで止血する作用があります。冷えを伴う月経過多、不正出血、血便などに用いられます。
適応症
心臓から腹部にかけての冷えと痛み、嘔吐、下痢、手足の冷えと弱い脈、[水滞]と冷えによる咳・鼻水、冷えによる出血など
注意事項
[熱証]の人は禁忌。その他[熱]による症状がある場合は注意。
乾姜の使い方
ブレンド例
[脾胃]の冷えを治します。
生姜+膠飴 |
胃腸を温めて機能の促進をします。
生姜+山椒 |
『漢方294処方生薬解説』より
処方例
配合されている漢方薬の一例です。
小青竜湯 | 解表剤 |
大建中湯 | 温裏剤 |
人参湯 | 温裏剤 |
半夏瀉心湯 | 和解剤 |
苓甘姜味辛夏仁湯 | 祛湿剤 |
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