Oriental Medicine,  五臓六腑,  診断

体質チェック|東洋医学の臓腑弁証

臓腑弁証とは

これまで東洋医学の基本的な概念の説明と、どのように不調を診断していくかを説明してきました。体調やライフスタイルの情報を集めたら、次は体調を分類し分析していきます。東洋医学での不調の分類の仕方は、まず、[陰陽]、[気血津液]、[臓腑]のどの観点から分析するかで3つに分かれます。そして[陰陽][気血津液]の観点からの分析を総合して最終的に[臓腑弁証]を行います。今回はその中の[臓腑弁証]について簡単にまとめています。これまでの詳しい説明は下記をご覧ください。

五臓六腑 東洋医学の実践法

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

目次

  1. 五臓六腑の病証の種類
  2. 臓腑弁証チェック



五臓六腑の病証の種類

[五臓六腑]の不調に関する[病証]は、下記のようなものがあります。詳しくは各[臓腑]のページをご覧ください。

肝・胆の不調 肝気鬱血(かんきうっけつ)
肝火上炎(かんかじょうえん)
肝血虚(かんけっきょ)
肝陰虚(かんいんきょ)
肝陽上亢(かんようじょうこう)
肝風内動(かんふうないどう)
– 肝陽化風(かんようかふう)
– 血虚生風(けっきょせいふう)
– 陰虚動風(いんきょどうふう)
– 熱極生風(ねっきょくせいふう)
肝胆湿熱(かんたんしつねつ)
心・小腸の不調 心火上炎(しんかじょうえん)
心血瘀阻(しんけつおそ)
心気虚(しんききょ)
心陽虚(しんようきょ)
心血虚(しんけっきょ)
心陰虚(しんいんきょ)
小腸実熱(しょうちょうじつねつ)
脾・胃の不調 脾気虚(ひききょ)
– 脾不健運(ひふけんうん)
– 中気下陥(ちゅうきげかん)
– 脾不統血(ひふとうけつ)
脾陽虚(ひようきょ)
湿邪困脾(しつじゃこんぴ)
– 寒湿困脾(かんしつこんぴ)
– 湿熱困脾(しつねつこんぴ)
胃寒(いかん)
胃火(いか)・胃熱(いねつ)
食滞胃脘(しょくたいいかん)
胃陰虚(いいんきょ)
肺・大腸の不調 肺気虚(はいききょ)
肺陰虚(はいいんきょ)
風寒犯肺(ふうかんはんぱい)
風熱犯肺(ふうねつかんぱい)
痰湿阻肺(たんしつそはい)
燥熱傷肺(そうねつしょうはい)
大腸湿熱(だいちょうしつねつ)
大腸津虚(だいちょうしんきょ)
腎・膀胱の不調 腎陽虚(じんようきょ)
腎陰虚(じんいんきょ)
腎陰火旺(じんいんかおう)
腎精不足(じんせいぶそく)
腎気不固(じんきふこ)
膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)
臓腑兼病(二つ以上の臓腑を兼ねる病証) 心脾両虚(しんぴりょうきょ)
心腎不交(しんじんふこう)
肝脾不和(かんぴふわ)
肝腎陰虚(かんじんいんきょ)



臓腑弁証

本来はもっと具体的に症状やライフスタイルを聞いて総合的に症状を判断しますが、ここでは簡単なチェック項目を挙げて、どの[臓腑]がアンバランスになっている可能性があるかを見ていきます。各15個の質問中、一番Yesが多かった項目があなたの体質です。5個以上当てはまったものはその体質の傾向にあると考えてください。そのため複数ある場合もあります。詳細ページに行くと、各臓腑のさらに詳しい症状の解説になります。

肝・胆タイプ

イライラして怒りやすい
□  緊張しやすい
□  下痢と便秘を繰り返しがち
□  足がつりやすい
□  月経痛が起こりやすい
□  月経不順
□  肩こりが気になる
□  目が疲れやすく視力の低下が気になる
□  目が充血しやすい
□  目のかすみや乾燥が気になる
□  しびれや痙攣が出やすい
□  爪が欠けやすくもろい
□  顔が青くなりやすい
□  脇腹や胸が張って苦しい
□  めまいを起こすことがある

肝の不調

心・小腸タイプ

動悸や息切れがある
□  不安感がある
□  物忘れをしやすい
□  寝つきが悪く途中で起きる
□  不整脈がある
□  血圧の変動が起こりやすい
□  気がせって焦りやすい
□  ヒステリーを起こしやすい
□  ろれつが回らない
□  顔が赤くなりやすい
□  汗をかきやすい
□  口内炎ができやすい
□  足がむくむ
□  左の肩や肩甲骨の下が凝る
□  舌の先が痛む時がある

心の不調

脾・胃タイプ

食欲が無い
□  胃腸が弱い
□  下痢をしやすい
□  お腹がゴロゴロ鳴る
□  胃下垂
□  痩せている
□  手足がだるく力が弱い
□  内出血しやすい
□  むくみやすい
□  思い悩むことが多い
□  月経過多、または不正出血がある
□  口のまわりに引出物が出やすい
□  顔色がくすみ気味
□  食後に強い眠気が来る
□  気力が無い

脾の不調

肺・大腸タイプ

かぜをひきやすい
□  肌が弱い
□  アレルギー性の疾患にかかりやすい
□  咳や痰が出やすい
□  呼吸が苦しい
□  息切れしやすい
□  肌が白い
□  喉が弱い
□  声が小さい
□  鼻水や鼻づまりになりやすい
□  汗が出にくい
□  汗が止まりにくい
□  乾燥肌
□  匂いがわかりづらい
□  憂鬱になりやすい

肺の不調

腎・膀胱タイプ

むくみやすい
□  足腰がだるい
□  骨がもろい、骨折しやすい
□  歯が悪い
□  記憶力が落ちた
□  不妊症
□  耳鳴りや聴力低下が気になる
□  病気にかかりやすく治りにくい
□  肌の色が黒ずんでいる
□  精力減退気味
□  腰痛がある
□  白髪や抜け毛が増えた
□  頻尿、夜間尿
□  尿のキレが悪い、尿漏れ
□  驚き恐れが出やすい

腎の不調




次はこれを要チェック

気血津液弁証 八綱弁証 東洋医学の基本 東洋医学の言葉の意味 気血津液