暑の特徴|東洋医学の気候と体調の関係
暑の特性
気候の移り変わりは自然の摂理で、悪いものではありませんが、東洋医学では気候の変化が体の適応能力を超えてしまった時、病因になりえると考えます。気候は、[風火暑湿燥寒]の[六気]で表されます。これらが変化し、病因になってしまうと[六淫](りくいん)と呼ばれます。このページではその6つの要素の中の[暑]の特徴の説明をしていきます。[六淫]についての詳細は下記へ。
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
目次
[暑]のイメージ
[暑]は[火]と[湿]の特徴を合わせ持っています。日本の夏の蒸し暑い日をイメージしてみてください。そこから具体的な[暑]の特徴を見ていきます。
[暑]の特徴
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五気 | 風 | 熱 | 湿 | 燥 | 寒 |
六気 | 風 | 火・暑 | 湿 | 燥 | 寒 |
六淫 | 風邪 | 火邪・暑邪 | 湿邪 | 燥邪 | 寒邪 |
五季 | 春 | 夏 | 土用(長夏) | 秋 | 冬 |
熱がある
当たり前ですが、[暑]にも[火]と同じように熱があります。そのため、[暑]が[暑邪]になると高熱、顔面紅潮、大量発汗、口渇などの熱を持った症状が現れます。
[津液]と[気]を消耗
[火]と同じように、[暑]が[暑邪]になると、体内の[津液]と[気]を消耗させます。そうすると、口渇、大量の汗が出る、といった症状が現れます。[津液]が消耗しすぎると、脱水症状や、さらには意識不明になることもあります。
[湿]を伴う
[火]とは違う[暑]の特徴として、[湿]を伴いやすいという特徴があります。[湿]は対応する[五臓]の[脾]の働きを弱め、[水滞]を引き起こしやすい性質があります。そのため、[火邪]と[湿邪]が一緒に体に侵入すると、手足の倦怠感、嘔吐などの症状が現れます。
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