Oriental Medicine,  改善法

東洋医学の病気の考え方

東洋医学と病気の原因

東洋医学で病気の原因についてどのように考えているかを説明していきます。タイムレスエディションではいろいろな側面から体調のバランスをとる方法をお伝えしています。アーユルヴェーダの観点からの健康と病気の考え方も紹介しているので是非参考にしてください。

健康の定義

※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。

目次

  1. 東洋医学の病気の定義
  2. 病気の分類と説明



東洋医学の病気の定義

簡単に言うと、東洋医学においての病気とは、「[正気]が[邪気]より弱くなった状態のこと」を言います。[正気]とは、生命力のことで、[臓腑]・[経絡]・[気血津液]などの機能活動すべてを指します。[邪気]とは、病気を引き起こす要因を指します。[邪気]があること自体は悪いことではなく、[正気]が[邪気]より強いときは病気になりません。[正気]が[邪気]より弱くなって初めて病気になります。例えば、同じ寒い環境にいても、ある人は元気なのに対し、風邪をひいてしまう人もいます。これは、前者は[正気]が十分に強かったのに対し、後者は[正気]が足りず、寒さという[邪気]に負けてしまったということです。

病因の分類と説明

下記は病気の原因の分類のまとめです。細かい説明が後に続きます。

外感 気候
病原菌
外傷
虫獣傷(ちゅうじゅうしょう)
寄生虫
内傷 感情
飲食不節
労逸(ろういつ)
体質
滞り

[外感]と[内傷] = 外からくるもの、内からくるもの

病因には、大きく分けて2つあります。[外感]と[内傷]です。

[外感]

[外感]は、体の外の原因です。[外感]には、気候・季節・環境といった外からの原因があります。[外感]が原因の外感病は、一般的に急性です。例えば、風邪は外からの[邪気]が原因なので、外感病になります。しかし、それが長引くと内傷病になる可能性があります。

[内傷]

[内傷]は体の中の原因のことです。[内傷]には、[五臓六腑]や[気血津液]のアンバランスや感情などの、自分の内側からの原因があります。[内傷]が原因の内傷病は、ストレスや過労、不摂生、生活習慣による[五臓六腑]の機能低下が原因なため、一般的に慢性です。

[外感]の病因

[外感]の病因は更に5つに分けられます。

気候:[六淫]

気候は、五行配当表にある[五気]が対応しています。[風熱湿燥寒]の5つです。[熱]を[火]と[暑]にして[六気]とも言われます。通常は自然界の通常の気候の変化を表していますが、私たちの体の適応能力を超えてしまった時、病因となります。病因となったときの[六気]を[六淫](りくいん)と言います。詳しくは下記へ。

病原菌

[外感]の病因のひとつに病原菌があります。特に重篤な伝染病を引き起こすものを癘気(れいき)と言います。インフルエンザ、SARS、エボラ出血熱、コロナなどの病原菌も含まれます。

外傷・虫獣傷・寄生虫

外傷は怪我のこと、虫獣傷は、獣や虫に噛まれるなどの原因のことです。

[内傷]の病因

[内傷]の病因は更に5つに分けられます。

感情:[七情]

感情は、五行配当表の[五志]が対応しています。[怒喜思悲恐]の5つです。それに[憂]と[驚]をプラスして7つの感情の変化のことを[七情](しちじょう)と言います。[七情]自体は悪いものではありませんが、長い期間の[五臓六腑]の不調や精神的刺激によって、病因になりえるものです。詳しくは下記で説明しています。

飲食不節

飲食不節とは、食べ過ぎや偏食のことです。辛いものの食べ過ぎ、お酒の飲みすぎ、冷たいものや生ものの食べ過ぎなど様々です。

労逸

労は過労や心労を意味し、逸は休みすぎや運動不足を意味します。つまり活動しすぎ、もしくは活動しなさすぎでどちらかに偏ってアンバランスになっている状態です。精神疲労、肉体疲労、性生活の過多、運動不足などがあげられます。

体質

体質は、まず先天的なものをもって生まれ、後天的な影響を受けながら形成されていきます。その体質の偏りが病因になります。体を構成する要素である[気血津液]の不足傾向は[偏虚]、体質が陰に傾きすぎるのは[偏寒偏湿]、陽に傾きすぎている状態は[偏燥偏熱]と言います。詳しい説明は別ページで紹介します。

滞り

体を構成する要素である[気血津液]の滞りも病因になります。[気]の滞りは[気滞]、[血]の滞りは[瘀血]、[津液]の滞りは[痰飲]となります。これらが様々な体の不調につながります。こちらも詳しくは別ページで紹介します。

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