津液の働き|東洋医学と体・気血津液
津液の意味
東洋医学で大切な概念に[気血津液](きけつしんえき)というものがあります。東洋医学では体は[気血津液]という3つの構成要素から成り立っていると考えられてます。その中の[津液](しんえき)の意味を説明していきます。[津液]は[水]とも言われますが、五元素の[水]とは違うので、ここでは[津液]の名称を使用します。[気血津液]の全体的な概念については下記をご覧ください。
※図や表以外で、東洋医学の言葉は全て[ ]の中に表しています。例えば、[心]は東洋医学での[心](しん)を表し、普通に心と書いてある場合は、通常の「こころ」を表しているとお考え下さい。そして[ ]内の言葉はまとめて東洋医学の言葉一覧のページで意味を調べられます。
目次
[津液]とは
[津液]とは、私たちの体の中の赤色以外の水分で、かつ体にとって必要な水分のことを指します。リンパ液や組織内の体液、分泌物などです。[気]と[血]に関しては下記へ。
[津液]の働き
[津液]の具体的な働きを見ていきます。
全身を潤す
[津液]の働きは、全身を潤すことです。全身を潤す働きには体全体に及びます。関節の動きを円滑にする、皮膚や粘膜を潤す、各臓腑を潤し栄養を運ぶ、余分な熱や老廃物を排出する、便通を良くする、など様々です。
働き低下による不調
乾燥肌、空咳、硬い便など |
[血]の材料となる
[津液]は[血]の材料になります。[脾]で栄養素が取り込まれ、[気]・[血]・[津液]が作られます。直接[血]も生成されるのですが、そこで[気]と[津液]を合成させて[血]を作ることができます。
体内での[津液]の動き
体内での[津液]の動き方と[五臓]の関係をまとめたたものが下記の図になります。飲食物が体内へ入ってきてから、[胃]・[小腸]・[大腸]にて必要な水分が消化吸収されます。その必要な水分が[脾]の運化作用(=変化させる)によって[津液]になります。[脾]で生成された[津液]は、昇清作用によって[肺]へ持ち上げられます。そして、[肺]の宣発作用(=広く行き渡させる)と水道通調作用(=水分の動きを調整)によって、全身にいきわたります。さらに[肺]の粛降作用(=きれいにして下に降ろす)によって[腎]に降ろされます。[腎]は[津液]の量を調整します。必要な分は[肺]に戻され、不要な分は[膀胱]へ送られ、排泄されます。
次はこれを要チェック
[津液]の基本が分かったら、[津液]のアンバランスによる不調のメカニズムをチェックしてみてください。
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