サットヴァ、ラジャス、タマスの意味とは?|ヨーガ・アーユルヴェーダ・インド哲学
3つのグナとは?
このサイトでは、ヨーガ、アーユルヴェーダのもとでもあるインド哲学の説明をしています。このページでは、その中で重要な概念である3つのグナ(サットヴァ、ラジャス、タマス)の説明をしています。インド哲学に関しての詳細は下記をご覧ください。
3つのグナ
3つのグナ(性質)には、サットヴァ、ラジャス、タマスと言われるものがあります。簡単に言うとグナは万物の性質を表します。グナという言葉と結びつけて、サットヴァグナ、ラジョグナ、タモグナといわれることもあります。
グナによって世界はできている
3つのグナは、世界を現す物質や力の原因で、マーヤー、もしくはプラクルティ(プラクリティ)とも言われます。ブランマンという、ただ一つの真実にマーヤーが結びつくことによってこの世界はできています。これは宇宙の構造とは?の記事で詳しく説明しています。そして五大元素と結びつき、構造や機能を提供しているのが3つのグナです。どのように五大元素と結びついて世界ができているかは、この世界がどのようにしてできたか?の記事で詳しく説明しています。そして、どんな割合で3つのグナが配分されているかによって、性質が変わってきます。
各グナの基本性質
サットヴァ:知識、幸福
愛の象徴、献身、喜び、知識、清浄、忠実、公正、正義、上品、知性など
ラジャス:行動
反感の象徴、行動、欲望、痛み、横柄さ、話好き、自尊心、怒り、不正直、競争心など
タマス:慣性
不安の象徴、混乱、無知、不活発、不安、無知、眠り、怠慢、悲しみなど
体の3つのグナ
3つのグナは、万物に浸透していますので、もちろん私たちの中にも浸透しています。もし無くなったら生きていけません。サットヴァの質のおかげで知識を得、ラジャスの質のおかげであらゆる行動ができます。またタマスの質のおかげで休息や睡眠をとることができます。
心の3つのグナ
3つのグナは、心の傾向にも当てはめることができます。グナは3つとも大事ですが、心に関してはなるべくサットヴァの質の割合を高めることが大切です。
サットヴァ
サットヴァの性質が心を支配すると、いつも至福を感じることができます。喜び、満足感があり、いつも穏やかです。知識を得ることに喜びを感じます。純粋で人の邪魔をしません。
ラジャス
ラジャスの性質が心を支配すると、感情的、行動的になります。物質的喜びを重要視します。常に欲望があり、それを追い求めます。じっとしていることができません。よくしゃべって静かにしていられません。
タマス
タマスの性質が心を支配すると、眠気や倦怠感に支配されます。何かをする意欲はありません。また、間違った信念に支配されます。
人の4つのタイプ
人の性質を3つのグナの組み合わせで分けると4タイプになります。サットヴァの質が多いほど良く、次にラジャス、最後がタマスです。タマスに支配されている人が、いきなりサットヴァにはなりません。タマスからラジャスの割合を高め、次にサットヴァに近づけます。ここで気を付けたいとされていることは、これは自分自身のためのもので、人をジャッジするものではないということです。
サットヴァ>ラジャス>タマス
サットヴァが優位の一番いい状態です。私たちは肉体をもってこの世界にいるので、100%サットヴァにはなりません。3つのグナがないと生きていけませんが、よりサットヴァの質の割合を高めなければなりません。
ラジャス>サットヴァ>タマス
次は、ラジャスが一番になっていますが、サットヴァの割合も高めです。サットヴァの質を高めていく必要があります。
ラジャス>タマス>サットヴァ
同じくラジャスの質が一番多いですが、サットヴァの質が低いタイプです。
タマス>ラジャス>サットヴァ
タマスに支配されている人です。まずはラジャスの質を高める努力が必要です。
死ぬ瞬間の質が大切
インド哲学では死んだ後はまた違う肉体に生まれ変わるといわれています。次にどんな体で生まれてくるかは、死ぬ瞬間に自分がどの状態でいるかが影響するといわれています。例えば、サットヴァが優位で死んだ場合、次の生は苦しみがない世界へ、ラジャスが優位で死んだときは、行いにとらわれて苦しみと喜びが半々の世界へ、タマスが優位で死んだときは、正しいこととそうでないことの見分けができない人間以外の世界へと生まれ変わるといわれています。
グナを超越する
生まれ変わりのサイクルから抜け出すためにはこの3つのグナから解放されなけらばなりません。グナという性質がある限り、全てに制限があり、苦しみが生まれます。制限から解放されるにはどうしたらいいかがインド哲学で学ぶことができます。
五大元素とのかかわり
3つのグナは五大元素にもいきわたっています。その性質は下記のようにリンクしています。
五大元素 | 優勢な性質 |
空 | サットヴァ |
風 | ラジャス |
火 | サットヴァ&ラジャス |
水 | サットヴァ&タマス |
地 | タマス |
詳しくはアーユルヴェーダの五大元素の説明をご覧ください。
次はこれを要チェック
『VEDANTA BOOK OF DEFINITIONS』 Swami Tejomayananda