えごま油(エゴマ油・しそ油)とは?効果効能、摂取量や味、アトピーに効果的?
えごま油|エゴマ油|荏胡麻油|しそ油
目次
えごま油のデータ
名前 | 荏胡麻油、エゴマ油、エゴマオイル、えごま油、ペリラオイル、ペリラ油 |
学名 | Perilla frutescens |
科名 | シソ科 |
使用部位 | 種 |
抽出方法 | 低温圧搾法 |
香り | えごま油の独特な香り |
色 | 黄色~オレンジ色 |
酸化 | 非常に酸化しやすい |
浸透力 | 優れている |
ブレンド | 癖があるので、他のオイルにブレンドしたほうが使いやすい。 |
肌質 | ニキビ肌、成熟肌、乾燥肌 |
部位 | フェイシャル、ボディー |
注意点 | 加熱してはいけない。冷蔵庫で保管後すぐに使い切る。 |
ヨウ素価 | 197.3 ※ |
鹸化価(NaOH) | 137.7 ※ |
鹸化価(KOH) | 192.8 ※ |
※ヨウ素価と鹸化価の値は、下記の成分量をベースに計算した数値です。これらは同じ植物のオイルでも、原料の種類、地域、抽出方法、商品やロットなど様々な条件によって変化する数値なのでお気を付けください。ヨウ素価と鹸化価の一覧と解説は下記をご覧ください。
えごま油の代表成分
主な脂肪酸
飽和脂肪酸 8% | |
パルミチン酸 | 6% |
ステアリン酸 | 2% |
一価不飽和脂肪酸 20% | |
オレイン酸 | 20% |
多価不飽和脂肪酸 72% | |
リノール酸 | 12-13% |
α-リノレン酸 | 60-65% |
※『植物オイル・ハンドブック』を参照
脂肪酸について、脂肪酸の摂取方法などは下記をご覧ください。
えごま油の特徴
アジアで古くから利用
エゴマは東アジアが原産で、数世紀前から料理の香辛料として利用されていました。日本でも馴染み深い植物です。今スーパーで見かけるえごま油の多くは日本産や韓国産です。
非常に酸化しやすい
えごま油はとても酸化しやすいオイルです。このサイトの調査では、91種類中6番目にヨウ素価が高いです。そのため、高温に弱いので、必ず低温圧搾されたもので、精製や脱臭が施されていないものであることが大切です。酸素に極力触れないようにし、高温多湿を避けた冷暗所や冷蔵庫に保存した場合でも、開封後最長半年以内には使い切るべきです。
加熱してはいけない
えごま油を体に取り入れる場合は温めてはいけません。熱に弱いオイルなので、温めると有毒な成分が発生してしまいます。食べるときはそのまま、もしくはドレッシングのオイルとして使用するなど、温めない方法を選んでください。肌に使用する場合も、加熱してハーブを浸出させたりするような方法は向きません。加熱しない方法で使います。
α-リノレン酸の含有量が最大値
えごま油の最大の特徴はα-リノレン酸の量です。このサイトでリサーチしている100種類ほどのオイルのデータベースのなかでも一番の含有量があります。α-リノレン酸は体に大切な必須脂肪酸の一つです。
えごま油の効果効能
皮膚軟化作用、保湿作用、鎮静作用、肌の修復作用、肌への滋養作用、血中コレステロール低下作用、抗炎症作用、抗イボ作用、心臓血管系の保護、免疫系の保護、喘息の緩和、慢性気管支炎の緩和、湿疹の改善、不眠症の改善、変性疾患予防、花粉症改善、リウマチ改善、うつ病改善、関節炎の改善など |
肌の若返りに
えごま油は肌にとてもいいオイルです。直接肌に使用する場合は、すこし癖があるので、他のオイルとブレンドして使用する方が使いやすいですが、さらっとしていて浸透力があります。皮膚を柔らかくしたり、保湿をしてくれます。足りない栄養素を補ってくれ、若々しい肌を保ちます。傷などの治癒も促します。
アトピーやアレルギーに
えごま油に大量に含まれるα-リノレン酸は、アトピーやアレルギーにも有効です。現在の私たちの食生活は、リノール酸を摂りすぎてしまう傾向があります。リノール酸を摂りすぎると、体内で一部の物質が生成されすぎて、それが炎症を引き起こし、アトピーやアレルギーに繋がってしまいます。そのリノール酸からの変換を抑えるには、α-リノレン酸が必須になります。そのため、α-リノレン酸を十分に摂取することは、アトピーやアレルギーといった炎症系の症状を抑えるのにとても有効です。この仕組みは必須脂肪酸のページに詳しく記載しています。
認知症に
えごま油は認知症にいいと一時期話題になりました。これはオメガ3系のα-リノレン酸が、他のオイルに比べて大量に含まれているからです。α-リノレン酸は体内で変換されていき、DHAを生成します。DHAには多くの効能がありますが、その中の一部は脳の機能に作用します。それが認知症やアルツハイマー病などの脳に関わる疾患の予防につながると言われています。
血中の脂肪やコレステロール値を下げる
えごま油に含まれるα-リノレン酸は、血中の脂肪やコレステロールの値を下げる働きがあります。それは動脈硬化、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞などの脳血管疾患のリスクを軽減することにつながります。
えごま油の摂取量、飲み方、味
えごま油の摂取量
えごま油に含まれる大切な栄養素であるα-リノレン酸を摂ることが大切です。α-リノレン酸は、一日に1.2g以上摂ることが理想とされています。そのため、それを満たすには、えごま油を一日約2g、つまり小さじ半分の量を摂ればいい感じです。
えごま油の味
生臭いような独特なクセのある香りがあります。商品によってもそのクセが強いものと弱いものがあります。えごま油だけを食べるにはくせが強くで苦手な人も多いかもしれません。
えごま油の飲み方
味が癖があるので、そのまま飲むのは続かないかもしれません。また、加熱に弱いので加熱料理の調味料にも向きません。そのためサラダのドレッシングや、マリネのオイルといった冷たい料理に混ぜるのが一番いいです。その時も、オリーブオイルなどの他の食べやすいオイルと一緒に使ったほうが、独特な香りが和らぎます。煮物やスープなどの温かい料理でも、出来上がったものに少量かける程度でしたら劣化しないのでおすすめです。
亜麻仁油とえごま油の違いを比較
植物の違い
えごま油の原料のエゴマはシソ科の一年草、亜麻仁油の原料のアマはアマ科の一年草です。エゴマは青じそによく似ているのに対し、アマは細長い葉が沢山ついて、全体的にスラッと伸びていくので、植物としては全く異なるものです。
脂肪酸組成がとてもよく似ている!
一方、油にしたときの脂肪酸組成がとてもよく似ています。メインの脂肪酸をピックアップして比較するとよくわかります。そのことから、作用もとても似ていると言えます。
脂肪酸 | えごま油 | 亜麻仁油 |
パルミチン酸 | 6% | 5% |
ステアリン酸 | 2% | 3% |
オレイン酸 | 20% | 18% |
リノール酸 | 12-13% | 14% |
αリノレン酸 | 60-65% | 53% |
えごま油の方がα-リノレン酸が豊富
二つとも体内で重要な必須脂肪酸であるα-リノレン酸が大量に含まれていることが多くな特徴です。あえて言うと、えごま油の方がそのα-リノレン酸の量がすこし多い傾向にあります。しかし、基本的に脂肪酸組成はとてもよく似ているので、二つはとても似ているオイルと言えます。
※亜麻仁油の詳細を見る
ごま油とえごま油の違いを比較
植物の違い
前述のように、えごま油の原料のエゴマはシソ科の一年草に対し、ごま油の原料のごまは、ゴマ科の一年草です。しその葉に特にているエゴマと、細長い葉をもつゴマは見た目も植物学的にも全く異なる植物です。
脂肪酸組成は少し違う
えごま油と亜麻仁油はとてもよく似ていましたが、えごま油とごま油は似ているものの、少し脂肪酸組成が異なります。メインとなっている脂肪酸は同じものが多いですが、その割合が少し違くなります。
脂肪酸 | えごま油 | ごま油 |
パルミチン酸 | 6% | 9% |
ステアリン酸 | 2% | 5% |
オレイン酸 | 20% | 39% |
リノール酸 | 12-13% | 41% |
αリノレン酸 | 60-65% | 0.3% |
α-リノレン酸が多いえごま油、リノール酸が多いごま油
特に大きな違いは、メインの脂肪酸が、えごまはα-リノレン酸なのに対し、ごま油はリノール酸です。この比率が逆になっています。どちらも必須脂肪酸の一つですが、体内での作用の仕方が違います。えごま油とごま油は似ているようですが、作用は異なる全く別のオイルです。
※ごま油の詳細を見る
手作り石けんとえごま油
えごま油は酸化しやすい性質があるので、肌にはとても有効ですが手作り石けんにはあまり向かないです。石けんを作る際に温めたり、長い間空気にさらして乾燥させなければならないので、その期間に劣化してしまう可能性があります。
えごまの栽培
えごまは簡単に家で栽培することができます。そこからオイルの抽出は難しいですが、葉や実にも沢山栄養素があるので、料理に使用できます。育て方の詳細は下記で紹介しています。
※えごまの栽培方法を見る
次はこれを要チェック