インカインチオイル(グリーンナッツオイル・サチャインチオイル)の効果効能
インカインチオイル |グリーンナッツオイル|サチャインチオイルの効果効能
目次
インカインチオイルのデータ
名前 | インカインチオイル、グリーンナッツオイル、サチャインチオイル、Inca inchi oil |
学名 | Plukenetia volubilis |
科名 | トウダイグサ科 |
使用部位 | 種 |
抽出方法 | 低温圧搾法(コールドプレス、冷搾法、常温絞り) |
香り | 草のような香り |
色 | 黄色 |
酸化 | 酸化しにくい |
浸透力 | 浸透しやすい |
ヨウ素価 | 198.7 ※ |
鹸化価(NaOH) | 137.4 ※ |
鹸化価(KOH) | 192.4 ※ |
※ヨウ素価と鹸化価の値は、下記の成分量をベースに計算した数値です。これらは同じ植物のオイルでも、原料の種類、地域、抽出方法、商品やロットなど様々な条件によって変化する数値なのでお気を付けください。ヨウ素価と鹸化価の一覧と解説は下記をご覧ください。
インカインチオイルの代表成分
主な脂肪酸
飽和脂肪酸 6.3% | |
パルミチン酸 | 3.8% |
ステアリン酸 | 2.5% |
一価不飽和脂肪酸 8.3% | |
オレイン酸 | 8.3% |
多価不飽和脂肪酸 85.4% | |
リノール酸 | 36.8% |
α-リノレン酸 | 48.6% |
※『植物オイル・ハンドブック』を参照
脂肪酸について、脂肪酸の摂取方法などは下記をご覧ください。
インカインチオイルの特徴
数世紀前からインカ人が利用
インカインチオイルは、インカインチの種から抽出されます。インカインチは、グリーンナッツやサチャインチ、インカラッカセイなどとも呼ばれます。ペルーのアマゾン熱帯雨林に生息しています。数世紀前からインカ人に利用されていた植物です。
他の植物に絡みながら成長
インカインチは単独で成長しません。ぶどうに似ていますが、他の植物に巻き付いたり、絡みながら成長していく面白い植物です。
どのオイルよりもすごい、不飽和脂肪酸が93%
インカインチオイルの一番の特徴は、不飽和脂肪酸が93%を占めていることです。また、多価不飽和脂肪酸だけに着目しても、全体の85%となります。とてもたくさんある植物油脂の中でも、ここまで不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の割合が多いオイルは他にありません。
オメガ3とオメガ6の比率が理想
「オメガ脂肪酸とは?」の記事で詳しく述べていますが、私たちの健康にはオメガ3とオメガ6系の脂肪酸の比率をバランスよく摂ることが重要です。オメガ3:オメガ6は、1:1~1:5が理想と言われていますが、私たちはオメガ6系の脂肪酸を摂りすぎてしまっている傾向にあります。しかし、インカインチオイルは、約4:3の割合で含まれます。オメガ6系を摂りすぎてしまっている私たちにはとても有難いオイルです。
ヨウ素価は高いが酸化・加熱に強い
オイルの酸化の度合いを示す数値の一つにヨウ素価があります。インカインチは不飽和脂肪酸が豊富なので、ヨウ素価が198ととても高く、乾性油に当てはまります。しかし、抗酸化作用を持つビタミンEが豊富なことから、酸化にもある程度堪えられます。不飽和脂肪酸が多い、えごま油や亜麻仁油に比べると、加熱もでき、使いやすいです。
インカインチオイルの効果効能
血中コレステロール低下作用、動脈硬化防止、糖尿病緩和、免疫調整、神経系調整、血液循環調整、心臓血管の調整、目や脳の疾患に作用、炎症抑制、アレルギー抑制など |
血中コレステロールの低下
インカインチオイルは不飽和脂肪酸の割合(特にオメガ3とオメガ6)がとても多いことから、血中コレステロールの低下にどのオイルよりも貢献します。そこから、動脈硬化や心臓疾患といった疾患のリスクの軽減につながります。
アレルギーの緩和
オメガ3系脂肪酸が豊富なことから、インカインチはアレルギー症状や炎症を抑える働きがあります。オメガ6系の脂肪酸を摂りすぎるとこれらの症状が出る場合がありますが、その抑制をしてくれます。
アンチエイジング
インカインチオイルには100g中140mg程のビタミンEが含まれます。オリーブオイルは14mg、大豆油が8mg等と比べると、インカインチは大量のビタミンEが含まれることが分かります。ビタミンEは抗酸化力が高く、美容では強力なアンチエイジングの作用を持ちます。
視力のトラブルに
インカインチオイルには、ビタミンAも豊富に含まれます。ビタミンAには様々な効能がありますが、その一つに視力のトラブルを改善する作用があります。パソコンやスマホを長時間使用する人が増え、目の疲れを感じる人も多いので、インカインチオイルの摂取は役立ちます。
食用は加熱もOK
インカインチオイルは加熱にある程度堪えられる性質があるので、料理に使用する場合は、炒めたり蒸したりなどの加熱には使用できます。揚げ物は避けたほうがいいです。
手作り石けんとインカインチオイル
インカインチオイルは不飽和脂肪酸が多いので、石けんのメインのオイルとしてはあまり向きません。とても柔らかくなり、崩れやすく、また泡立ちもあまりよくないので、少量加える程度がいいです。硬さを出すオイル、泡立ちを良くするオイルと一緒に使用してください。
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