十二直と暦注|十二直の意味と仕組みを理解する
十二直
十二直は旧暦の暦注の一つです。日にちに対応していて、最もよく当たる暦注と言われていました。解釈は時代ごとに少しずつ変わっていき、今でも旧暦のカレンダーで十二直が書かれたものがあります。それを過ごし方の参考にする人も少なくありません。今回は十二直の概念と仕組みについて説明します。
節月(せつげつ)
十二直を理解するにあたり、「節月」という概念を理解することが必要です。十二直は「節月」をもとにカレンダーに当てはめられています。通常は、1日から始まる1か月が12か月分で一年です。一方、節月は二十四節気の節気を基準として1年を12当分しています。そのため節月の最初の日が1日ではありません。二十四節気に関しての詳細は「二十四節気と七十二候」をご覧ください。節月でいうと、一年の始まりは立春の日から啓蟄までの1か月です。それを「正月節」と言います。二月節、三月節・・・と続きます。以下がその対応です。
節月 | 期間 |
正月節 | 立春~啓蟄の前日 |
二月節 | 啓蟄~清明の前日 |
三月節 | 清明~立夏の前日 |
四月節 | 立夏~芒種の前日 |
五月節 | 芒種~小暑の前日 |
六月節 | 小暑~立秋の前日 |
七月節 | 立秋~白露の前日 |
八月節 | 白露~寒露の前日 |
九月節 | 寒露~立冬の前日 |
十月節 | 立冬~大雪の前日 |
十一月節 | 大雪~小寒の前日 |
十二月節 | 小寒~立春の前日 |
十二直の仕組み
十二直は上記の12個の要素からなります。各要素に意味があります。日にちに対応していて、今日がとの十二直に当たるかによって、どんな日になるかをみていました。この12直は規則的な順番で毎日変化しています。その仕組みが前述の節月と関わってきます。いつが「建」の日になるかが節月ごとに決まっていて、その後は建を始まりとして順に変化します。そのため、節月の最後と最初の日は、同じ十二直が続きます。寅の日、卯の日・・・というのは十二支を日にちに当てはめたものです。詳しくは下記リンクをご覧ください。
- 正月節最初の寅の日=建(たつ)
- 二月節最初の卯の日=建(たつ)
- 三月節最初の辰の日=建(たつ)
- 四月節最初の巳の日=建(たつ)
- 五月節最初の午の日=建(たつ)
- 六月節最初の未の日=建(たつ)
- 七月節最初の申の日=建(たつ)
- 八月節最初の酉の日=建(たつ)
- 九月節最初の戌の日=建(たつ)
- 十月節最初の亥の日=建(たつ)
- 十一月節最初の子の日=建(たつ)
- 十二月節最初の牛の日=建(たつ)
十二直の暦注
十二直の意味は時代によって少しづつ変換しています。それは生活様式や職業などが変化していくためです。より現代に合った意味付けがされています。十二直の漢字から、なんとなく意味が想像できます。
建(たつ) | 何かを「始める」ことにいい日。開店、神仏を祭る、婚姻など。 |
除(のぞく) | 悪いものを「除く」ことにいい日。薬を飲み始める、医師の診察、お祓いなど。婚姻は凶。 |
満(みつ) | 何事においても大吉の日。 |
平(たいら) | 何事にも障りがない「平等」な日。お祝い事は吉。 |
定(さだん) | 「定める」のにいい日。たとえば移転や種まき、建築など。 |
執(とる) | 「執る」のにいい日。種まき、婚礼などにはよく、お金などを「出すこと」には向かない。 |
破(やぶる) | 「取り決め事」に良くない日。訴訟などは吉。 |
危(あやぶ) | 何事にも「危ない」日。遠出や開業は避けたほうがいい日。 |
成(なる) | 「成功する」日。新しくなにかを始めるのによく、訴訟などは凶。 |
納(おさん) | 「納める」のにいい日。買い物、収穫、保存など。 |
開(ひらく) | 運勢が「開ける」日。入学や婚姻、引っ越しなどによく、葬式は凶。 |
閉(とづ) | 何事も「閉止する」日。何かを終わらせる、お墓を建てる、お金を納めるなどにはよい。開業などは凶。 |
次はこれを要チェック
下記は旧暦の二十四節気、七十二候、雑節、月の満ち欠け、月星座を網羅したカレンダーです。