六十干支と暦注
六十干支
六十干支は十干と十二支から成る60種類の組み合わせです。旧暦では年・月・日に割り当てられています。詳しくは「十干十二支と六十干支」をご覧ください。十干と十二支は五行の要素を持つので、六十干支でどの五行の要素が組み合わさっているかによって、吉凶判断ができます。例えば、六十干支の一番初めの「甲子」は、十干の「甲」と十二支の「子」の組み合わせです。五行説では、甲は「木」、子は「水」で「相生」の関係となり相性がいいです。旧暦では、その日がどの六十干支に対応しているかによって吉凶判断をし、多くの暦注が作られました。その一部を紹介します。五行の詳細は「陰陽五行説の基本」をご覧ください。
六十干支と暦注
六十干支は規則正しく日にちに対応しています。旧暦のカレンダーを見ると、今日が六十干支でいうとどの日になるかが調べられます。旧暦では六十干支の何が対応するかによって、様々な暦注がありました。
十方暮(じっぽうぐれ)
下の表の21甲申(きのえさる)から30癸巳(みずのとみ)までの10日間を十方暮といいます。万事うまくいかない期間です。下の表の五行の組合せを見ると分かるように、この10日間は、23丙戌と26己丑に日以外「相剋」関係の六十干支が続きます。そのため、何をしてもあまりうまく進まない時期とされ、結婚や旅行に向かないと言われています。
八専(はちせん)
49壬子(みずのえね)から60癸亥(みずのとい)までの12日間を八専といいます。この12日間には、五行で同じ気が組み合わさっている「同気」の日が8日もあります。「同気」以外の4日間は何をしてもいいですが、同気の8日間は気が偏っているのであまり物事がスムーズにいかない時期とされていました。また、八専が始まる日の天気がこの期間続くとも言われていました。
犯土(つち)
7庚午(かのえうま)からの7日間を大犯土、 15戊寅(つちのえとら)からの7日間小犯土と言います。この期間は、「土」を動かすこと、土を掘ったり、伐採をしたりすることを避けたほうがいいと言われていました。この時期に伐採した木は腐りやすいと言われていました。
天恩日(てんおんにち)
1甲子(きのえね)~ 5戊辰(つちのえたつ)、 16己卯(つちのとう)~ 20癸未(みずのとひつじ)、 46己酉(つちのととり)~50癸丑(みずのとうし)の各5日間、計15日間は、天恩もしくは天恩日と呼ばれ、縁起のいい日とされていました。結婚などの縁起のいいことをするには最適と言われていました。
甲子(きのえね)
六十干支の一番初めの日です。そのため、物事の始まりの日として重要視されていました。大黒天のお祭りの日ともされています。
庚申(かのえさる・こうしん)
57番目の庚申の日の夜は、物忌みの日とされていました。これは民間信仰から発展したと言われています。
己巳(つちのとみ)
6番目の己巳は、弁財天を祭る日とされていました。
六十干支と五行の組み合わせ
六十干支とその読み、五行の組合せの表です。五行の組合せが相生・相剋・同気のどれかになります。詳しくは「陰陽五行説の基本」をご覧ください。
順番 | 六十干支 | 読み | 読み | 五行組合せ |
1 | 甲子 | かっし | きのえね | 木・水 |
2 | 乙丑 | いっちゅう | きのとうし | 木・土 |
3 | 丙寅 | へいいん | ひのえとら | 火・木 |
4 | 丁卯 | ていぼう | ひのとう | 火・木 |
5 | 戊辰 | ぼしん | つちのえたつ | 土・土 |
6 | 己巳 | きし | つちのとみ | 土・火 |
7 | 庚午 | こうご | かのえうま | 金・火 |
8 | 辛未 | しんび | かのとひつじ | 金・土 |
9 | 壬申 | じんしん | みずのえさる | 水・金 |
10 | 癸酉 | きゆう | みずのととり | 水・金 |
11 | 甲戌 | こうじゅつ | きのえいぬ | 木・土 |
12 | 乙亥 | いつがい | きのとい | 木・水 |
13 | 丙子 | へいし | ひのえね | 火・水 |
14 | 丁丑 | ていちゅう | ひのとうし | 火・土 |
15 | 戊寅 | ぼいん | つちのえとら | 土・木 |
16 | 己卯 | きぼう | つちのとう | 土・木 |
17 | 庚辰 | こうしん | かのえたつ | 金・土 |
18 | 辛巳 | しんし | かのとみ | 金・火 |
19 | 壬午 | じんご | みずのえうま | 水・火 |
20 | 癸未 | きび | みずのとひつじ | 水・土 |
21 | 甲申 | こうしん | きのえさる | 木・金 |
22 | 乙酉 | いつゆう | きのととり | 木・金 |
23 | 丙戌 | へいじゅつ | ひのえいぬ | 火・土 |
24 | 丁亥 | ていがい | ひのとい | 火・水 |
25 | 戊子 | ぼし | つちのえね | 土・水 |
26 | 己丑 | きちゅう | つちのとうし | 土・土 |
27 | 庚寅 | こういん | かのえとら | 金・木 |
28 | 辛卯 | しんぼう | かのとう | 金・木 |
29 | 壬辰 | じんしん | みずのえたつ | 水・土 |
30 | 癸巳 | きし | みずのとみ | 水・火 |
31 | 甲午 | こうご | きのえうま | 木・火 |
32 | 乙未 | いつび | きのとひつじ | 木・土 |
33 | 丙申 | へいしん | ひのえさる | 火・金 |
34 | 丁酉 | ていゆう | ひのととり | 火・金 |
35 | 戊戌 | ぼじゅつ | つちのえいぬ | 土・土 |
36 | 己亥 | きがい | つちのとい | 土・水 |
37 | 庚子 | こうし | かのえね | 金・水 |
38 | 辛丑 | しんちゅう | かのとうし | 金・土 |
39 | 壬寅 | じんいん | みずのえとら | 水・木 |
40 | 癸卯 | きぼう | みずのとう | 水・木 |
41 | 甲辰 | こうしん | きのえたつ | 木・土 |
42 | 乙巳 | いつし | きのとみ | 木・火 |
43 | 丙午 | へいご | ひのえうま | 火・火 |
44 | 丁未 | ていび | ひのとひつじ | 火・土 |
45 | 戊申 | ぼしん | つちのえさる | 土・金 |
46 | 己酉 | きゆう | つちのととり | 土・金 |
47 | 庚戌 | こうじゅつ | かのえいぬ | 金・土 |
48 | 辛亥 | しんがい | かのとい | 金・水 |
49 | 壬子 | じんし | みずのえね | 水・水 |
50 | 癸丑 | きちゅう | みずのとうし | 水・土 |
51 | 甲寅 | こういん | きのえとら | 木・木 |
52 | 乙卯 | いつぼう | きのとう | 木・木 |
53 | 丙辰 | へいしん | ひのえたつ | 火・土 |
54 | 丁巳 | ていし | ひのとみ | 火・火 |
55 | 戊午 | ぼご | つちのえうま | 土・火 |
56 | 己未 | きび | つちのとひつじ | 土・土 |
57 | 庚申 | こうしん | かのえさる | 金・金 |
58 | 辛酉 | しんゆう | かのととり | 金・金 |
59 | 壬戌 | じんじゅつ | みずのえいぬ | 水・土 |
60 | 癸亥 | きがい | みずのとい | 水・水 |
次はこれを要チェック
下記は旧暦の二十四節気、七十二候、雑節、月の満ち欠け、月星座を網羅したカレンダーです。