種まき、株分け、挿し木など|ハーブの殖やし方の基本
ハーブを殖やす3つの方法
ハーブを殖やす方法には大きく分けて3種類あります。種から育てるもの、挿し木(挿し芽)で育てるもの、株分けで育てるものです。ここではその基本的な3種類の方法を説明しています。
目次
種まきのやり方・方法
種をまく時期は、デリケートな時期です。苗床に種を蒔く場合の土は、清潔で肥料分がない、バーミキュライトがよく使われます。食品に使われる透明パックの底に穴をあけて容器とすることが多いです。
1. 直まき or 育苗箱?
種まきをする場合は、直接定植させる土にまく場合(直まき)と、育苗箱を作り種をまき、発芽してから土に定植させる場合の2種類があります。移植を嫌う植物や、繁殖力の強い植物、広範囲で育てる植物は、直接定植させる場所に種をまく直まきをします。デリケートな植物の場合は、無菌・無肥料の種まきに適した土で苗床を作り、種をまきます。
2. 土を選ぶ
ハーブによって、種まきに適した土が異なります。育苗箱で育てる場合は、清潔で肥料分がない、バーミキュライトがよく使われます。バーミキュライトとピートモスの配合土や、ハーブの種まき用の培養土を使用する場合もあります。
3. 種まきをする
種の種類によって、3種類種まきの方法があります。多くの場合、発芽時には光が必要なので、土は薄くかぶせるだけにします。厚くかぶせすぎると発芽しない場合があります。
条まき(筋まき) 条まきは、土に一本の溝を作って、そこに種をまく方法です。紙を二つ折りにして、種をのせて落としていきます。細かい種をまく時に使われる方法です。例)オレガノ、ヒソップ、レモンバームなど |
バラまき バラまきは、土にまんべんなく種をまく方法です。種同士が重なりすぎないようにきをつけます。条まきと同じように、紙を二つ折りにしたところに種をのせて落としていきます。例)カモミール、コーンフラワー、シソ、バジルなど |
点まき 点まきは、適当な間隔で土に指などで小さいくぼみをつくり、そこに3~5個位の種をまく方法です。大きい種はこの方法が多いです。発芽したら、1か所に1本になるように間引きます。例)セージ、パセリ、ブルーマロウなど |
4. 水やりと温度管理
発芽には水分が必要です。乾燥を好むハーブでも、発芽時には水分が沢山必要なものがほとんどです。水を上からかけると、種が流れてしまうので、受け皿に水を溜めて、下から吸収させるようにします。水はこまめに変えるようにします。また、各ハーブには発芽に適する温度があるので、それを保つように気をつけます。
5. 間引いて植えつけをする
発芽したしたら、丈夫な苗を残して、間引いていきます。隣の葉と触れることがなく、ある程度のスペースが保てるようにします。その後、本葉が2,3枚程出てきたら、苗を土と一緒に掘り上げて、定植させたい場所に植え付けをします。寄せ植えや地植にする場合など、ある程度まで育苗用の鉢で大きく育ててから定植させる場合もあります。
種まきが向いているハーブ
夏から秋に花を咲かせ、耐寒性があまりない種類のハーブは春まきに向きます。春に花が咲き、耐寒性があるハーブは秋まきに向きます。どちらでも大丈夫な種類もあります。
春まき
シソ、セージ、チャービル、バジル、パセリ、ヒソップ、ルバーブなど |
秋まき
コーンフラワー、チコリ、ディル、フィーバーユー、ポットマリーゴールド、ボリジなど |
挿し木(挿し芽)のやり方・方法
挿し木は枝や茎を切り取り、そこから殖やしていく方法です。同じ挿し木でも、水挿しと土挿しがあります。
枝(茎)をカットする
新しい枝を選び、2,3節(10~15cm)程カットします。その際切る口が斜めになるようにします。下の方についている葉(下葉)は取り除き、葉が4,5枚残るようにします。この枝を挿し穂と言います。
水挿しをする
水挿しの場合は、下葉が水につからない程度までコップに水を入れ、そこに挿し穂を挿します。毎日水を変え、直射日光を避けた明るい室内で管理します。一週間ほどで発根します。十分に根が出てきたら土に定植させます。
土挿しをする
土挿しの場合は、挿し木用の培養土を用意します。無菌・無肥料のバーミキュライトを使用することが多いです。土を十分に湿らせておき、下葉ぎりぎりまで挿し穂を土に挿します。2,3日は湿度を保たせ、明るい日陰で管理します。その後日なたに移します。
水揚げ
土挿しをする前に、十分に水分を吸い上げさせるために、水揚げをすることが多いです。水挿しのように、挿し穂を水を入れたコップにいれ、1時間ほどそのままにします。十分に水分を吸わせた後に、土に挿します。
挿し木が向いているハーブ
シソ科、キク科が挿し木に向いています。
水挿し
バジル、フィーバーユー、ミント、ヤロウ、レモンバームなど |
土挿し
アニスヒソップ、オレガノ、キャットニップ、セージ、ゼラニウム、タイム、タラゴン、ヒソップ、フィーバーユー、マジョラム、ミント、ヤロウ、ラベンダー、レモンバーム、ローズ、ローズマリーなど |
株分けのやり方・方法
株分けは、株を掘り起こして、株を分割して殖やしていく方法です。株をただ殖やすだけでなく、株を若返らせたり、根腐れを防ぐことにも役立ちます。
株を掘り上げ、分割する
時期は花が咲く時期を避け、春か秋に行うことが多いです。根を傷つけないように、株ごと掘り上げます。土を落とし、自然に株が分かれるところで株を分割します。無理やり分けてしまうと、株が弱る原因になります。古くなった根はハサミでカットしてしまいます。
株を植え付け
栽培用の土を用意し、定植させたい場所に植え付けをします。半日陰で水をたっぷり与えます。新芽が出たら日なたで育てます。
株分けが向いているハーブ
セリ科、イネ科などの挿し木が向かないハーブやミント類が向きます。
コンフリー、タラゴン、ヒソップ、フィーバーユー、フェンネル、ブルーマロウ、ベルガモット、マジョラム、ミント、ヤロウ、ルバーブ、レモングラス、レモンバームなど |
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